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趣味人の恋 1 (1~4章)

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店の前で常連のお客さん、並んでましたで^^;・・・
そしたら、僕、アメリカン一つ♪(*^^)v
その女の子には振られました(ToT)/~~~・・・
意識しすぎて、自然に喋れんようになってねぇ・・」

僕はすぐに返信した。

すると、彼女からも結構間髪を入れず返信があった。

「昨日は御免なさいね、私は気まぐれだから、気が向かないと『店開き』しないし(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」

僕の【喫茶・ラベンダーの香りママ】の妄想に合わせてくれている♪(*^^)v

「そう、その彼女とは残念でしたね・・・
あ、そうそう、『探し物上手』なえい吉さん、私の探し物もお願いして良いかしら?『マドンナの宝石』と云う曲なんですが、昔聞いたことがあって、良い曲だなぁって思うんですけど、どうしたら調べられるか分からなくて・・」

「分かりました、すぐに調べてみます!(*^^)v」

「有難う♪(^_-)-☆お願いしますね♪じゃ今日はこの辺で♪」


いつの間にか『探し物上手のえい吉』になってしまった^^;・・

多分、こんな風に(^v^)鼻の下が伸びていたに違いない・・

    (-_-)/~~~ピシー!ピシー!


-----------------------(p.11)-----------------------

『マドンナの宝石』はその日のうちに探し当てた。

イタリヤの作曲家エルマンノ・ヴェルフ=フェラーリの曲で

オペラ「マドンナの宝石」の間奏曲と云うことだった。

正直云って、余りクラシックには興味は無い・・

学生時代から、ロックやフォークのバンドもやっていて、

音楽はとても好きだったが、クラシックとは触れ合う機会も

なく、対極の?【演歌】も含め、余り好きではなかった・・


翌朝、早速香りママに『マドンナの宝石』のことを

報告すると、

「あら、早速調べてくれたんですね♪(^_-)-☆有難う♪」

彼女は大層喜んでくれた。

しかし、この程度のことであれば『検索』をかければ

容易に分かるはずだ・・

(ん?・・・・・・・(;一_一)試された?)とも考えたが、

(ま、喜んでもらえたし♪ええか♪(*^。^*))

物事を余り深くは考えない性質(たち)である・・

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

そんなこんなで、僕の【喫茶・ラベンダーの香り】通いは

毎朝の日課となった♪(^。^)y-.。o○

-----------------------(p.12)-----------------------


===================================================
章タイトル: 第4章  サヨナラKさん
-----------------------(p.13)-----------------------

【喫茶・ラベンダーの香り】通いと並行して、【キリさん】通いも

続いていた。

あの頃はまだ、【お気に入り】の機能が無かった頃で、

目指す人の新しい日記を読もうとすると、わざわざ

その方の部屋に行って覗かないと、新しい日記がアップ

されているかどうか分からなかった。

僕は毎日キリさんの部屋を訪れ、新しい日記がアップ

されると、香りママともうひと方、モカ2さんの部屋に

「キリさんの日記が出たよォ~♪(*^^)v」と知らせに回った。

そして【自称・キリさん広報担当】と宣言した^^;・・

キリさんは相変わらず、トンガやNZでの話を聞かせてくれた。

モカ2さんは兵庫県在住の女性の方で、年齢は非公開だった。

その部屋に行くと、ご自身でも日記を書いておられたが、

結構難しい、人間の内面に関してとかの話が多く、

一寸コメントしにくい内容だった。

また、その難しい話の内容に長文のコメント返す人が

いたりして、とても「アホなこと」で割って入れるような雰囲気

では無かった・・

そして大変読書が好きな方で、毎日のように公営の図書館

で本を借りて読んでいたようだ。

しかもその本は、一般の書店で平積みされて良く知られ

た作家の作品ではなく、芸術家のエッセイであったり、昔の

詩人や歌人の本であったり、到底「大衆小説」しか読まない

僕とは話が合わないと思える人だった。

しかし・・・・

キリさんの日記はモカ2さんも大ファンで、多分瞳に星を幾つも光

らせた三つ編みの女学生8(#^.^#)8のように、

キリさんの日記を心待ちにし、毎回日記にコメントも

寄せていた。

-----------------------(p.14)-----------------------

キリさんのあるの日記は確か、トンガでのラグビーの試合の話だったと思う。
キリさんは元々ラガーマンだった。
試合を終えると、選手は同じシャワールームでシャワーを浴びるのだと云っていた。
          【ノーサイド】
ラグビーは、試合の間は肉弾相打つ激しいスポーツだが、一旦試合が終われば、誰が敵とか味方では無くなる、これがまさに『ノーサイド』なのだと・・
そしてシャワールームで皆素っ裸になり、水を浴びながらお互いの【一物】を見て、「大きい!(@_@。」「小さい(^_^.)」とニヤニヤしたりするんだそうな。
この話には『女性陣』は沈黙するのかと思っていたら、Mさんも、ラベンダーの香りさんも、きっちりコメントを入れていた。
何もかもが何時もと変わらない様子だった。
否、そう僕には思えただけだったのかも知れない・・
その後も、キリさんとは普通に伝言板でお話をしていた。
『その日』の前日の午後も、
「こちらには途轍もなく大きな魚が居ます。
針がかりした魚に小さな子船が引きずられたこともあります。」
とヘミングウエーの「老人と海」のような話を伝言板に残してくれた。
なのに・・・
『その日』の朝、僕の伝言板にキリさんからの伝言が届いた
「考えるところがあり、退会します。
所詮根っからの一匹オオカミ、少々食傷しました。
貴方も残りの人生、しっかりと生きて下さい。桐村」
僕は驚いた・・
何か、キリさんの機嫌を損ねるようなことを伝言や、コメントで云ったのかも知れないと、懸命に自分の記憶を辿る・・
或いは僕以外の人と諍うようなことは無かったか?
前にも述べたように、毎日のようにキリさんの部屋に通い、
覗くつもりは無くても、キリさんの伝言板での様子は知っている。特に気になるような様子は無かったのに・・
けれど、キリさんは「退会」されると云う・・
本名まで明かされたところに、その決意の固さが窺われた。
僕はキリさんに伝言した。
「キリさん、何があったのですか?何か気に障る事でもあったのですか?もしも、どうしてもと仰るのなら、せめてこの部屋だけは暫くそのままにしておいてくれませんか?〇〇えい吉」
しかし、キリさんからの返事は無かった・・
僕はMさんとラベンダーの香りさんの部屋に走り、キリさん退会の報を届けた。
生憎、二人の何れからもその日の返事は無かった。
そして午後、キリさんは『趣味人倶楽部』から消えた・・