古都・純情物語2(5~10章)
その本田がパートナーに瑛子を指名したのだ。
瑛子はソシャールダンスを始めてまだ半年だが、
持前のリズム感の良さもあって、その上達は目覚ましい
ものがあった。
上背162センチの瑛子はスタイルも良く、
その踊りは美しい。
本田はそんな瑛子に早くから目を付け、
入会から三か月目の瑛子に、
パートナーになって欲しいと申し込んだ。
瑛子は本田からパートナーを申し込まれた時、
まだ入会から日も浅かったが、
本田のダンスの技術にも敬意を抱いていたので
喜んで快諾した。
本田に請われるまま、あちこちのダンスパーティーにも
連れて行かれた♪
それは瑛子にとって、願ってもない時間だった♪
ただ・・・
本田はどこのパーティーに行っても、
瑛子に自分以外の男性と踊ることを禁じた・・
「まだ瑛子ちゃんの踊りは固まってないから、
色んなパートナーと踊るより、暫くあたしが
みっちり教えて上げるから~♪(^_-)-☆」
そう云われて瑛子に疑問は残ったが、
それは云わないことにした・・
本田自体はクラシックにも詳しく、
音楽やダンスの話は瑛子の興味を引くものばかりだったし、
何より『フェミニスト』でもあった。
少し、『女っぽい』位^^;・・・
本田との行動は主に彼のクーペで行った。
パートナーを組んで一か月余り経ったある日のパーティー
の帰り道、何故か本田は無口だった・・・
そして彼は、
人通りの少ない道で
車を停めた・・・・・
本田は人通りの少ない公園に面した道端で
車を停めた・・
「瑛子ちゃん、あたし、瑛子ちゃんのこと♪(#^.^#)
あたし、もォ~!はぁ~ん♪ (≧∀≦) 」
本田が助手席の瑛子に覆いかぶさり、
ヒョットコのように尖らせた唇が迫った!
まず瑛子の左手の掌底(しょうてい)が本田の顎に決まり、
(◎o◎)!
次に右の平手が本田の頬を強かに打った。
(>_<)!
瑛子は高校時代、バレー部のエースアタッカーだった。
(ToT)/
「私、帰る!(ーー゛) 」
瑛子は車の外に出ると、勢いよくドアーを閉めた。
瑛子は振り返らず、車の拾えるおもて通りに出る・・
本田は追ってこなかった・・・
親にもぶたれたことのない本田は、
車の中で一人呆然としていたのだ・・
「なんでぇ~?(ToT) 」
後日、本田は瑛子に平謝りに謝った。
m(__)m
二度とあのようなことはしないので、
【パートナー解消】だけは思いとどまってくれと・・
(>_<)
瑛子自身、本田の気持ちを利用していたかも知れないと
反省していた・・
本田から再三気の有る素振りを感じながら、
そのままにしていたし・・
瑛子は本田を許し、自身も謝った。
但し、今後は本田の車には乗らないと宣言した。
本田はしぶしぶ了承・・
「何時かはきっと、瑛子ちゃんのこと(#^.^#)♪」
の想いは秘めたままに・・
第9章
優一は瑛子を送り届けた後、自宅近くの駐車場に
車を停めた。
ふと、瑛子の座っていた助手席を見ると、
何やら小さく折りたたんだ布が・・
手に取ると、白地に蒼い桔梗の花弁の刺繍を
施したハンカチ・・
「あ!あの時の・・・」
優一は喫茶店で、瑛子が目じりの涙をぬぐった
そのハンカチを思いだした。
(#^.^#)♪
優一はまた瑛子に逢える理由が出来たと思った♪
( 今夜、寮に電話しよ♪♪♪(*^。^*)♪♪♪)
その日の夜、少し緊張しながら瑛子達の女子寮に
電話する優一・・・・
♪ルルルル・・・・・ルルルル・・・・ルルルル・・・♪
呼び出し音が鳴る・・・・・・・・・
優一の心臓が、その音に合わせるように
鼓動する・・
♪ルルルル・・・・ルルルル・・・プツッ・・「もしもし、都寮です」
「・・・?・・・あ!瑛子ちゃん?・・・僕・・林です!(*^^)v」
「え?・・・あ!林君?・・・うわ~♪今日はありがとう♪
助かりました♪(#^.^#) 」
「間に合った?」
「あ、・・うん、何とか♪^^;・・あ、・・大井さんに用事?」
「あ、いや、・・瑛子ちゃん、今日ハンカチ忘れたやろ?
僕の車の中で」
「え?あ、林君の車の中に?^_^;
いややわぁ~♪探しててん♪(#^.^#)良かった~♪」
「明日寮に持って行くわ♪(^_-)-☆」
「そんなん悪い~~!(+_+)」
「かまへん♪明日はヒマやし♪(^。^)y-.。o○何時が良い?」
♪ (#^.^#) ♪ (*^。^*) ♪
優一と瑛子は11時に、
またあの【喫茶・忘れな草】で逢うことになった♪
(^_-)-☆
翌日優一がその喫茶店に行くと、約束の時間の10分前にも
関わらず、瑛子はもう来ていた♪
優一も待ち合わせ時間は守る方だが、瑛子はその上手かも♪
「はい、ハンカチ♪(^_-)-☆」
「ありがとう♪(#^.^#) ごめんね、私、うっかり者やから、林 君の車の中で落としたなんて全然気が付かなくて(#^.^#)」
「いえいえ、おかげで瑛子ちゃんに会う事も出来たし、
『ハンカチ様様』やで♪^^; こう言う刺繍のハンカチって
【スワトウ】って云うんやろ?」
「林君、凄い!良く知ってるなぁ~♪ウチのお母さんも、
そない言うてたわ♪(#^.^#)」
「これでも一応【機屋】の息子やしな♪(^。^)y-.。o○」
「林君、お父さんの跡、継ぐの?」
「ん~~~、まだ分からへんなぁ・・・何しろ、日本の
繊維業界の未来は厳しいからなぁ・・・(ーー゛)・・・・
それより、瑛子ちゃん、午後から予定、あんの?(^v^)」
「ん~~~、特にないよ?」
「そしたら、これからドライブいかへん?瑛子ちゃん、
あんまり京都の事知らん言うてたやん♪」
「うわぁ~ホンマ?連れてってくれるの?(#^.^#)
でも、バンドの練習は?もう一か月しかないやん!
私も大井さんも林君らのバンドのチケット30枚も捌くつもり なんよ?練習不足で私らに恥かかせたら、
承知せえへんからね!(ーー゛)」
「うわぁ~、ごっつ厳しいねんなぁ~(+o+)
大丈夫!元々土日は皆バイトやらで練習はお休みです♪ スタジオのレンタル料、結構するから、皆必死ですわ
(+_+)・・・」
「林君はバイトせえへんの?あ、ボンボンやから?^m^」
「アホな、零細機屋の息子がボンボンなわけあらへんで・・ 今年の9月までは三条の不二家でウェーターのバイトして てんけど、元々1年間だけって決めてたから辞めたんや。 今は不定期の引っ越しとか学生課のバイト募集の掲示板 見て行くねん。東野も大抵一緒やな♪
作品名:古都・純情物語2(5~10章) 作家名:ef (エフ)