古都・純情物語2(5~10章)
(30分位やったら何とか間に合うし♪(*^。^*))
瑛子はそのままレッスンに行けるように、ダンスシューズ
のバッグと、レッスン用で少し派手目な赤紫のワンピース
を身につけ、以前優一達と打ち合わせをした
近所の喫茶店【忘れな草】で2時前に着き、
優一の到着を待った。
丁度2時に、【忘れな草】の前に、白いセダンが停まった。
その暫く後に、店の木の扉が開き、カウベルが鳴る♪
濃紺のウインドブレーカーを着た優一が、
店内を見回した♪
そして・・・
瑛子と優一の視線が
出逢った♪(^_-)-☆
「あ!藤さん♪(*^^) 」
優一の視線の先で、瑛子が立ちあがった♪
(*^。^*) (#^.^#)
「すみません、大井さんこれなくて・・・
私が代わりに・・^^;・・・」
「ああ、とんでもない!わざわざありがとう♪(*^^)」
瑛子と向かい合う席に座りながら優一が応えた。
「コンサートの準備、大変やね。私もよせてもらうのよ♪」
「ホンマに?嬉しいなぁ♪(*^^) 」
「お友達の追悼コンサートなんやてね・・・」
「うん、そうなんや・・・バンドの元メンバーで山木言う
ねんけど・・」
優一はその経緯を瑛子に説明した。
瑛子は優一の長い話を、時折頷きながら、優一の目を
じっと見つめて聞いた。
「でも、山木の付き合いの広いのには、今更ながら
驚いたわ^^;・・僕らバンドのメンバーが一番の親友
やと思ってたけど、アイツ、男も女も関係なしに
深いつながり持ってたんや・・
ホンマはな、僕、山木と一緒に海に行った田川のこと、
恨んでたんや・・・・
あんな奴と付き合うからこうなったんやて・・
でもな、最近考えが変わった。
アイツにとって、田川もかけがえのない仲間の
一人やったんやて・・
だから、結果はこうなったけど、
それもみんな、アイツ自身が選んだ人生やったんやって・・
田川は・・・・・・悪ないって・・(>_<)・・ 」
優一は俯いて、声を絞り出した。
「あ、ごめん^^;・・湿っぽい話になってしもたな(^^) 」
瑛子も俯いていた。その目じりも濡れている・・
「うううん、すごい良いお話♪(*^。^*)
男の人の友情って素敵やね♪(^_-)
そんなお友達に囲まれてた山木君て幸せやと思う♪
あ!(@_@;)もうこんな時間!林君、私もう行かな・・」
「え?藤さん、何処まで行くの?僕、車やから送るよ♪」
優一はテーブルの伝票をワシ掴むと、
もう立ちあがり出口に向かって歩きはじめた。
「え~、でも、そんなん悪いし・・(・_・;)・・」
瑛子も立ち上がったが、少し戸惑った。
「エエよ、瑛子ちゃん、はよ行こ♪(^_-)-☆」
優一は早くも出口の扉を半分開き、
身体半分外に出ていた。
「あ、はい♪(#^.^#)」
瑛子は置いてけぼりにされないよう、慌てて荷物を手に
外に出た。
優一は白いセダンに乗り込みエンジンを掛ける。
中から瑛子に助手席を指で示し乗るように促した。
「失礼しま~す♪(*^。^*) この車、林君の?」
「いや、オヤジのんや。今日は組合の旅行で
おれへんから(*^^)・・で、何処行ったらエエの?」
「あ、同志社大学までお願いできます?」
「ああ、そんな近いとこかいな♪(^_-) 」
優一はバックで駐車場を出る。
瑛子の座る助手席の背に手をやりながら後ろを見る。
瑛子の顔の間近に
優一の横顔があった♪
瑛子はドキッとした♪ (#^.^#)
車は西大路通りを北上し、北野白梅町を東に折れて、
北野天満宮の前を通り、上七軒から今出川通りに入る。
優一の縄張り?、堀川今出川を過ぎ、目的地同志社大学
前の烏丸今出川に着いた。
車の中で、瑛子の趣味が【社交ダンス】であることや、
大阪に実家があること、母親が現役の看護婦であること、
互いに三歳下に妹がいること、
もう一年半も京都に居るのに、ロクに観光したことが
ないこと、
優一の雑種の愛犬の名前が【コロ】であると言うこと等、
他愛もないことで盛り上がった♪
瑛子は、もう『遅刻』は確定していたので、どうせなら、
車が目的地に着くのが少しでも遅れたら良いと願った♪
もう少し優一と話をしていたかったからだ♪
その想いは優一も同じだった♪
瑛子は優一の横でコロコロと笑い、お腹を捩った♪
優一はそんな瑛子を愛おしく感じた♪
けれど、そんな時に限って都大路は、大した渋滞もなく、
スムーズに走れ、15分ほどで同志社に到着した・・
「林君、ありがとう♪助かりました(#^.^#)」
「うううん、僕の方こそ♪ 瑛子ちゃんとこんなに話せて
楽しかったわ♪(*^^)v」
(今度、ゆっくり話したいなぁ♪・・・・(#^.^#))
「あのォ~、今度、(^v^)・・」
優一が助手席の窓越しに言おうとした時、
「そしたら林君、ありがとう♪(^_-)」
「あ!瑛子ちゃん!(・_・;)・・・・・」
優一の声は瑛子には届かず、
大学前の横断歩道を
走って渡った瑛子の背中は
瞬く間に小さくなって
消えた・・・
第8章
瑛子が息を切らせて『ダンス同好会』のレッスン室に
入ると、数組の男女が明るいルンバの曲に合わせて、
にこやかな表情で踊っている♪
彼らとは対称的に、壁際の長椅子に座り、
つまらなそうな男性一人・・
何気なく上げた視線の先に瑛子の姿を捉えると、
急に表情が明るくなり立ちあがった♪
「瑛子ちゃ~ん♪もォ、遅い~♪(#^.^#)」
彼がこの同好会における瑛子のパートナー
『本田邦夫』であった。
「ごめんなさい!出掛けに用事ができちゃって(#^.^#)・・」
瑛子は素直に詫びた。
「もう、来ないかと思ったよ~ん♪・・でもいい、(#^.^#)♪
さあ、瑛子ちゃん、踊ろ♪(^_-)-☆」
「あ、待ってぇ^^;・・靴だけ履かせて・・^^;・・」
瑛子が靴を履き終わるのももどかしげに、
本田は瑛子の手をとり、フロアーの真ん中に出た♪
瑛子は二回生になってから、この同好会に入会した。
元々は同志社大学の学生だけの同好会ではあったが、
年々部員が減少し、学内単独での活動が難しくなった為、
学内外を問わず、京都の学生全てにその門戸を開いた。
本田は同志社の二回生で横浜出身、資産家の家に育ち、
中学高校はイギリスに留学していて、
そのころ覚えたソシャールダンスは、この同好会の中でも
かなりの上級者だった。
作品名:古都・純情物語2(5~10章) 作家名:ef (エフ)