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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・禄】祭男爵奇談

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開けっ放しの体育館の非常口から漏れる明かりで緊那羅の影が地面に映されている
「腰低く!」
相も変わらず気合の入った女性の声が体育館の中に響き鳴子の音と揃った足踏みの音が間隔をあけて聞こえてくる
「今日もきてるね」
本間が阿部に言う
「…だから何よ」
ステージの上で練習風景を見ていた阿部がむすっとした顔で返事をした
「香奈~! いっく~!!」
小走りで女子生徒が近づいてきてステージの上ってきた
「なしたの? 香奈美」
胸に【黒瀬(くろせ)】のネームをつけ香奈美(かなみ)と呼ばれた女子生徒が阿部の隣に腰を下ろした
「先輩をつけろ先輩を」
そう言って香奈美が体育館入り口のほうを見て手を振った
「宮津ちゃんとみかも来たの?」
男子が踊っている中央を避け端を通って女子生徒二人がステージに向かって歩いてくる
「…あれ…? …みかちょっと待ってて」
そのうちの一人が緊那羅のいる非常口へと駆け出した
「やっぱり!」
「へっ?;」
いきなり声をかけられた緊那羅がびくっとした
「金名さん!!」
緊那羅が目を大きくしたまま声の主を見る
「…み…やつさん?」
肩につく軽くウェーブのかかった髪が非常口から入ってくる風にふわっと靡かせた女子生徒が笑顔でうなずいた

「なぁ…ラムちゃん連行されてるぞ?;」
南が体育館の後ろから宮津によってステージにつれてこられた緊那羅を見つけて京助の肩を叩いた
「…何してんだアイツは;」
京助が鳴子で肩を叩きながら口の端を上げた
「緊那羅…女子に囲まれてパラダイスっぽいけど…そうは見えないのはどうしてなんだか;」
中島がステージの上に座らされた緊那羅を見て言う
「うん…違和感まったくねぇな;」
坂田も中島に同意する
「うわー!! 金髪!」
緊那羅の髪を香奈美が触って言う
「どこのクラス? 染めてて怒られないの? 地毛?」
宮津と共に体育館に入ってきた女子生徒も緊那羅の髪を触りながら聞く