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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・禄】祭男爵奇談

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「サンキュー!! 待ってましたッ!」
緊那羅から奪い取るように袋を取りながら京助が言う
「本当に待ってたみたいだっちゃね;」
緊那羅が呆れたて笑った
「おうよ! おっ! おにぎりもあるじゃん!! さっすが!!」
京助が常階段に腰掛けてアルミ箔に包まれたおにぎりをひとつ手に取った
「ココで食べるんだっちゃ?」
その横に腰を下ろした緊那羅がイソイソとアルミ箔をはがしている京助に聞いた
「ったりまえ!! っただきまーす!」
福神漬けを混ぜ込んだおにぎりに京助がかじりついた
「生き返る~」
口をモゴモゴさせながら京助が心底幸せそうな顔をしたのを見て緊那羅が笑う

「…実にしょっぱい光景だ」
丸めた教科書で肩をトントン叩きながら京助の後を追ってきた坂田が言う
「坂田」
緊那羅が坂田を見て言う
「お前等遠巻きに見ても近くから見ても傍から見ると立派なカップルに見えるぞ」
「ゲッハッ!!;」
坂田の言葉に京助が思い切り咽た
「汚ッ!;」
京助が発射した米粒弾をよけて緊那羅が言う
「ハッハ」
苦しそうに咽ている京助を見て坂田が笑った
「おま…っ;」
緊那羅に背中を叩かれながら京助が口をぬぐう
「うんうんセイシュンIng現在進行形」
腕を組んだ坂田がウンウンと頷いた
「何一人で納得してんだよッ!;」
「京助ご飯粒ついてるっちゃ;みっともない;」
怒鳴った京助の頬についていたご飯粒を緊那羅がヒョイと摘んだ
「…お前な; 馬鹿にされてる片っ端からソレをするか;」
京助の頬についていたご飯粒を持ったままきょとんとしている緊那羅に京助が溜息をついた
「今日も帰り遅いんだっちゃ?」
アルミ箔を丸めて袋に入れている京助に緊那羅が聞く
「本番近いからさ~…遅いと思うぞ?」
坂田が言った
「晩御飯は? 何か持っていくっちゃ?」
「今日も来る気か?;」
立ち上がった緊那羅に京助が聞く
「お前ら冗談抜きで夫婦の会話」
坂田がプッと噴出した
「やかましいッ!!;」
京助が怒鳴る
「来るなっていうなら…いかないっちゃけど…アノ曲もう一回聞きたいんだっちゃ」
緊那羅がボソッと言った
「アノ曲って…ソーラン節か?」
坂田が聞く
「そうだっちゃ。もう一回…というかなんだか…」
緊那羅が口ごもる
「何だか?」
京助が緊那羅を見た
「…吹いてみたい…かなって」
「は?」
頬をほんのり赤くしながら小声で言った緊那羅に京助と坂田が同時に同じトーン同じテンポで声を上げた
「…ソーラン節の…笛か?」
しばらく間をおいて京助が聞くと緊那羅が小さく頷いた
「何でまた…;」
坂田が緊那羅を見る
「何となく…だっちゃけど…でも…」
赤い顔のまま目をそらして緊那羅がボソボソと言う
「…まぁ…いいんじゃねぇ? 見に来るくらい」
「本当だっちゃ!?」
京助が言うと緊那羅が顔を上げてついでに声も上げるとつられたのかなんなのか校舎もチャイムを鳴らす
「うお!; 俺まだ教科書教室じゃん;」
京助が慌てて駆け出した
「6時から体育館でやってるからさ…なんならハルミさんも連れてきてOKだぞ!」
坂田が親指を立てて言う
「聞いてみるっちゃ;」
緊那羅が苦笑いで言った