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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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神々と悪魔の宴 ①<悪魔のささやき>

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 そうなった時は永遠の命はどこまでついてまわるのか。オレはおぞましい想像を頭の中から追い払うためにメチャクチャに棒切れを振り回した。
 そして恐らく、ヤツはオレが最後の望みに、自分を殺してくれと言うのを待っているに違いないのだ。クソ!

『どうです? たとえ永遠の命を持っていたとしても、こいつらに食われてしまっては……ふふふ、痛いですよ。それこそ、死ぬほどにね……。
 ここら辺で最後の願いを使った方がよろしいのでは? ほら、口に出せば何でも叶う様にしましたよ。
 でも何処かに飛ばしてくれなんてバカなのは無しですよ。
 ここを切りぬけたってこれから先何度でも同じ様な目に遭うんじゃないかって、ワタシは思うんでがねぇ』

 ほらね? クソォ、このハイエナの気をそらせられれば逃げ切る自信はあるのだが――。
「! そうか」オレは名案を思いついた。
『どうです? 決心はつきましたか?』
 ニヤリと微笑んだオレは自信たっぷりのアイツに言ってやった。
「あぁ決まったヨ。おまえが人間になれ」
 言った途端、ハイエナの上の空間で、余裕の笑みと一緒に浮かんでいたヤツは人間になって群れの中にドスンと落ちた。
 ハイエナは突然降って来た天の恵みに一斉に襲い掛かった。
 元悪魔の断末魔を背中で聞きながらオレはサバンナを駆け抜けた……。
 もうあんなピンチに遭遇することも無いだろう。


 おわり

      02.10.08

№002