お下げ髪の少女 前半
第7章 手紙
緒方さんがお元気そうなので安心しています。毎日あなたを電車の中でお見かけしているのに、お話できなくて寂しいです。あなたが沢山の悩みを抱えていることも、察しています。交換留学のことは忘れました。あなたの優しいことばと、あなたの優しいこころが、わたしを立ち直らせてくれました。
私は学校帰りに田んぼの水門の上で、孝子と二人で夕陽が落ちていくのを眺めながら、イチジクを食べたりしています。そんなとき、あなたを想っています。でも、誤解しないでくださいね。今の美緒はまだ、あなたをお友達と思っていたいのです。男女間の友情を、どう思いますか?機会があったらそんなこともお話したいと思っています。
この前、生徒会の一泊研修がありました。先輩たちは頭を悩ませたらしい。自分の意志をはっきり持ったこの女の子をどこの分科会に入れるか?不思議です。中学までまったくおとなしい女の子だったわたしは、高校から一気にデビューしました。わたしはクラス委員をしています。そして、生徒会で議論をするのが好きです。
生徒総会とかでは、じゃんじゃん発言しています。あなたはこんなわたしでもいいのでしょうか。少し不安になっている、今日この頃です。
作品名:お下げ髪の少女 前半 作家名:マナーモード