お下げ髪の少女 前半
そうそう、この前職業適性検査を受けたのです。その結果わたしに相応しい職業は「医師」「弁護士」「通訳」「教師」などでした。あなたはとりあえず普通の会社員になることが決まったそうですね。おめでとうございます。
でも、わたしが勝手にあなたの職業適性検査をした結果は「画家」「グラフィックデザイナー」「小説家」「詩人」「音楽家」などです。これを参考に、今後の進路をもう一度考えてみてください。
山であなたは、私が好きな作家は誰かと質問しましたね。わたしは三浦綾子だと応えました。「生きること 思うこと」「塩狩峠」「道ありき」「帰りこぬ風」「積み木の箱」「夕あり朝あり」「生かされてある日々」「それでも明日は来る」「嵐吹くときも」など。彼女の本はほとんど読んでいます。緒方さん。これらの中で、一冊でも読んで頂けないでしょうか。
他者を語るとき、イコール人は己を語っているものです。あなたをより正確に把握するために、どれか一冊について、語り合いたいと思っています。
わたしは、ときどき自らを恥ずかしく思うこともあります。自分に対してウソをついたり、相手がウソをついてるのではないかと疑ったり、相手の素晴しい面を見て己の未熟さを感じたりするとき、わたしは自らを恥ずかしいと思うのです。そんなときも、わたしはあなたとお話できたらいいのにと思っています。クリスマスも近づきましたね。元気に新年をお迎えください。
親友の美緒より
「お下げ髪の少女 2」に続く
作品名:お下げ髪の少女 前半 作家名:マナーモード