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お下げ髪の少女 前半

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その朝の雨の降りかたは激しいものだった。緒方が先に集合場所に到着した。次いでそこに現れたのは、美緒とその兄だけだった。美緒のクラスメイトの孝子は、急に体調を崩したということだった。
美緒の出で立ちは黒の上下である。大人っぽく見える。早い時刻だったので、電車は空いていた。緒方と美緒は、杉原を挟んで座席についた。
「緒方。なんだか最近傷だらけだな。何をやってるんだ」
「……」
「わたしも心配していました」
美緒は気のせいか眼を潤ませているようにも見えた。
「猫を救助するときに屋根からおちてね」
 下手な嘘だと、云ってから緒方は自嘲していた。
「助けたのは子猫ちゃんですか?」
美緒は眼を輝かせた。
「むむ、おぬし、どこからそれを?」
と、緒方は芝居掛かって云った。美緒と山行ができるので浮かれていた。