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お下げ髪の少女 前半

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そう云いながら、美緒の顔は真っ赤になった。
「……美緒さんとこうなる、じゃなくて、なんと云うか……」
 緒方も顔を紅くしてしどろもどろだ。
「結婚式をしないと、本当の夫婦の気持ちは解らないでしょうね」
「……それは……女性の側だけでしょう」
「じゃあ、今のお気持ちをどうぞ」
「けっ、結婚会見ですか?幸せだなぁ。以上」
「それだけですか?期待したんですよ」
杉原が戻ってきた。
「じゃーん!」と云ってテーブルにウィスキーの瓶を置いた。
「美緒さーん。一番テーブルにアイスとグラスをお願いするわ」
杉原はふざけてオカマ風にそう云った。
「美緒さんは疲れていると思うよ」
「そうかよ。だったら緒方ちゃーん、お願いしてもいいかしら?」
「はいはい。一宿一飯の恩義をひしひしと感じながら、ご用意させて頂きますよ」
 緒方が立ちあがると、美緒も立ち上がった。