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お下げ髪の少女 前半

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「妹と約束してるんだろう」
「そうだけどな。お前の代わりに小泉に声を掛けるか」
「あいつは喫茶店で仕事だよ」
「じゃあ、いいこと考えた。妹たちを連れて、ニューポートへ行くよ」
「僕は絵を描くんだよ」
「じゃあ、ニューポートのあとでお前の家へ行く。店の地図を書け」
不動産屋の前だった。杉原は店の前にあったチラシを一枚取って来て、緒方に渡した。
美緒と同じ学校の生徒たちが、緒方の眼に入った。美緒が現れそうな気がしていた。それを気にしながら、チラシの裏に地図を書き始めた。書きながら、自分の部屋にあのお下げ髪の美少女が入って来るところを想像する。
「お兄ちゃん!こんなところで会ったの初めてだね」
美緒だった。信じられないことだった。
「なんだよ。だったら地図なんか要らないな」
「地図?どこの地図なの?」