お下げ髪の少女 前半
「緒方。お前はまだふられてないよな」
急に小宮がそんな質問をした。緒方はめまいがしそうな程驚いた。そして、顔が熱くなった。
「なんだよ。こいつの顔、真っ赤だぞ!」
笑いながら小宮が指摘すると、余計に緒方の顔は熱くなった。汗も出てきた。彼は我慢できずに聞いた。
「小泉はどこで彼女と話したんだよ」
「杉原の家で告白したんだろう?」
と、小宮。
「えっ!?と、いうことは、彼女は杉原の妹なのか!」
「何だよ。お前、今頃そんなこと云ってるのかよ」
緒方はまだ杉原の家に行ったことがなかった。その家は学校へ行く途中の駅の近くにあると聞いていた。その駅は、確かに美緒が乗って来る駅でもあった。両親は教師らしいことは、緒方も聞いていた。
それにしても、小泉が既にその家に出入りしていた、という事実は緒方にとって大変なショックだった。今日の緒方はもう、驚きっぱなしだった。そして、小泉が云っていたことが気になった。
作品名:お下げ髪の少女 前半 作家名:マナーモード