らくがき
君と見ている海
こうして君と海をみているわけだけど
君の見ている海と
僕の見ている海の景色は
きっと違うものなのだろう
その違いはきっと
僕達の座ったこの場所の違い以上で
言い換えれば君の生きてきた時間と
僕が置き去りにした人生ほどなのかも知れない
さっきから聞こえている波の音
君は心静かに目を閉じて
僕の肩に頭を預ける
僕の心のざわざわと
波と風の成す不協和音
風になびく君の長い髪が
僕の頬をさらさらと撫でて行く
僕の海はますます曖昧に揺れはじめる
肩を抱き寄せても良いだろうか
ほら砂混じりの潮風が
僕達の僅かな隙間をすり抜けて行くよ
<君と見ている海>100809