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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・伍】ごー・あ・(田)うぇい

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「で…何の用があってきたんだよ変態」
坂田が田んぼの中から阿修羅に向かって聞く
「オライ? オライはだな…」
「俺は悠助に会いに来た」
阿修羅が答えるより先に慧喜が聞かれてもいないのに答える
「ありがと~慧喜~」
悠助が笑顔を向けると慧喜がほほを赤らめて微笑む
「…麻衣の入る隙間ないじゃない」
その様子を見ていた麻衣が頬を膨らませる
「あれ? 麻衣ちゃん悠助好きなの?」
阿部が植えやすいよう苗を小分けにしながら隣にいた麻衣に聞く
「うんだって優しいし可愛いし」
都会から越してきたというだけあってどことなく他の子達よりませている麻衣が阿部の質問にさらりと答える
「…そっか…でも悠助にはえ…」
「負けないもん」
言いかけた阿部の言葉を麻衣が止めた
「だって麻衣だって悠助好きだもん」
そう言って立ち上がると麻衣が悠助に向かって小走りで駆け出した
「…強い子だね」
追加の苗を持ってきた本間が阿部をチラッと見て言う
「…何よ」
視線に気づいたのか阿部が本間を見上げる
「別に?」
苗を地面に置き本間がふっと笑った

「オライはでっかいのに用があって来たんきに」
阿修羅がハニワを背中に背負いながら笑う
「でかいの?」
浜本が田んぼの中で今にもコケそうになっているハルを見た
「中島か?」
坂田が腰に手を当てて後ろに反りながら言う
「そうそう!! ソイツさ! ありがとさんメガネ」
阿修羅が笑いながら坂田に言う
「俺はメガネかよ;」
坂田があきれたような顔で阿修羅を見た
「んで? 中島に何の用だよ?」
端まで植え終わった京助が泥のついた足のまま土手を歩いて阿修羅の隣に立って聞く
「おぉお帰り竜のボン! いやぁ…コノ…愛しい人のことを詳しく聞こうと思ってさ」
阿修羅が京助に背中を向け背負っているハニワを見せた
「…何をどう詳しく聞くんだ?;」
乾いた泥がついている手を腰に当てて京助がハニワを見る
「何って…まぁ…何かを?」
ハッハと笑うと阿修羅が止まった
「でっかいの見っけ-----------------!!」
「あっくん見っけ------------------ッ!!」

バキッ

「あ」
そして

バシャ

「もう! 信じらんない!! 私を置いていくなんてッ!」
田んぼの中に沈んでいく阿修羅の頭の上にそびえる紺色の二本のスラリとした脚
「おぉぉぉぉおお!!!」
他のクラスの男子からも上がる歓声