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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・伍】ごー・あ・(田)うぇい

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今日は京助達の通う正月中学校の二年生と悠助の通う正月町立別苅小学校児童との合同田植えというなんとも田舎町ならではの行事が行われている
正月町には小学校が5校、中学校が2校、高校が1校ある
年々少子化が進んでいく中でせめて兄弟がいるように思ってほしいという小学中学の校長、そして教育委員長の計らいの下代々行われてきたなんだかそれなりに伝統のある行事だという
「京助~僕もタオルでぎゅってやりたい~」
悠助が自分の持っていたタオルを京助に差し出した
「俺が結んであげるよ悠助」
慧喜が悠助ににっこりと微笑みかけながらいう
「いいねぇ…ラブラブ」
本間が阿部をチラッと見て言った
「…何よ」
そんな本間に阿部がむすっとした顔を向ける
「ね! ね!! あのさラムちゃんは?」
浜本が悠助の頭にタオルを巻いていた慧喜に聞く
「ラム…? あぁ緊那羅ならいないよ?」
優しくでも解けてこない程度の力でタオルを縛った慧喜が浜本に淡々と答えた
「んじゃお前どうやってここまで…」
京助が慧喜に聞く

「よ! 竜のボンボン~」
やたら明るい声に一同が振り向く
「あっくんにいちゃん!」
悠助が阿修羅に向かって手を振った
「…変態」
本間がぼそっと呟く
「変態だな」
坂田が口の端を上げて言った
「なんつー格好してんだよ…何だよその背中の物体は;」
京助が呆れ顔で聞く
「コレか? コレはほら…ッジャ----------------------------------------ン」
阿修羅が嬉しそうにそして高らかに掲げたのは
「…ハニワ?;」
阿部が引きつったような顔で阿修羅の掲げた埴輪を見る
「ハニワじゃなきによ!! 嬢!」
阿修羅が阿部を指差した
「ハニワじゃなきゃ何なんだよ」
緊那羅ではなく見知らぬしかもハニワを背負った阿修羅に向かって浜本がどことなく不機嫌そうに聞く
「コレはだな…オライの最愛の恋人なんっって」
そういいながらハニワに頬擦りし始めた阿修羅に対し一同が固まる
「…変態だな」
浜本が言うと揃って頷く
「コラ! そこ!! さっさと取り掛かりなさい!」
先生に言われて周りを見ると自分達以外が皆キャーキャーワーワー言いながら田んぼの中に入っている
「くっそ! 出遅れた!!;」
京助と坂田がジャージの裾を捲り上げてスタンバるのを見て悠助も真似をする
「おっそいぞ~ソコ~」
中島と南を始め他のクラスからも野次や笑いが飛んでくる中笑いながら京助が田んぼに足を入れる

「今年の一年生少ないんだね~…8人?」
阿部が紺色のジャージ集団の中にぽつぽついる小学一年生を数えて言う
「六年だって4人だろ」
浜本が歩きながら言った
「俺達の時が一番人数いたんだね」
南が言う
「15人だっけ」
坂田がおいてあった苗の株を適当にもぎ取って田んぼの中にいる京助に投げ渡す
「なげんなっーの!;」
京助が怒鳴る
「俺ー南ー京助ー中島ーにしばぴー…」
浜本が指折り別苅小学校出身の同学年の名前を挙げていく
「少なくなったよねー…」
南が溜息混じりに言った