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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・伍】ごー・あ・(田)うぇい

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「…ヨシコは?」
はたと中島の言葉で我に返ったのか阿修羅がスタンと地面に降り立ってヨシコの行方を聞く
「知るか; お前の後ついていったんだし;」
坂田が軽くブッチャーを阿修羅の額にかましながら言う
「…いや…オライはてっきり…」
ポリポリと頬を掻いて阿修羅が止まる
「…そういやヨシコ…方向音痴だったな」
ボソッと阿修羅が言うと周りの空気が固まる

「あっくーんッ!! …京助ー!? どこなのよ!! もう…ココいったいどこなのっ!!?;」
ゴ-------------------------------------… っという砂防ダムの水音に負けないくらいの大声でヨシコが阿修羅と京助を呼ぶ
「…どこなのよ…」
砂防ダムの水音が余計に不安にさせるのかヨシコの眉が下がった

「しっかりしろよ教育係!!;」
微妙に斜めになった林の中を京助と阿修羅、それに中島が続いて駆け上る
「いや…面目なー…;」
阿修羅が苦笑いで言いながら走る
「ハニワ探してる場合じゃなかったな;」
中島が阿修羅を追い越して先を走る
「いや! 場合だったんよ! オライには!!」
グッと握り拳を作って阿修羅が頷く
「こんのヘンタイ;」
そんな阿修羅の後頭部を京助がどつく
「何すん!! 竜のボン;」
後頭部を押さえて阿修羅が言う
「さっさと探さねぇともっと迷子になるんじゃねぇ?;」
微妙にドツキ漫才と化してきていた京助と阿修羅のやり取りに中島が突っ込んだ
「戻ってもわかるように南と坂田残してきたからまぁヨシとして…」
「んじゃオライは上から行くさね」
京助がもしも戻ってきた時の為に残してきた南と坂田の名前を口にすると阿修羅が地面を蹴って飛び上がった
「竜のボンとでっかいのは下頼むわ!!」
そして枝に着地するとバサバサと葉を落としながら枝から枝へと飛び移り林の奥へと入っていく
「…やっぱ中国雑技団だよなぁ;」
中島が落ち行く葉を見ながら呟いた
「…まぁヨシコだってそれなりに破壊力ある蹴りとかあるわけだから熊に出会ってても平気だと思いますが…」
京助がことあるごとに阿修羅に向けて繰り出されていた結構強力そうなヨシコの蹴りを思い出して言う
「…あんな蹴り持ってるっても…女だろうが一応」
中島が言うと京助が驚いた顔をして中島を見た
「…なんだよその顔;」
その京助の顔を見て中島が顔をしかめる
「柚汰君ってヤッサシィ~」
プー!!っと噴出して京助が言う
「なっ!!;」
赤くなった中島にタックルをかまして京助が笑う
「俺だってこんな暗いじめじめしたトコじゃ不安になるから!; ただそんだけだッ!!;」
京助にタックルをかまし返して中島が怒鳴った