古都・純情物語 1(1~4章)
「誰でも知ってるビートルズの曲でまず聴衆を引きつけ、
クラプトンでジ~~ン!とシビレさせ、次に渋いオールマンのインストの曲で彼女たちの心をどっぷり深みに沈める♪
そこでたたみかける様に、陽水とくれば【トドメ】を刺したのも同然でしょう~♪(^。^)y-.。o○
後は、ブルース、ハードロックの激しい応酬に、間違いなく
看護短大の女子のハートは俺たちのもんや♪(^_-)-☆ 」
と、熱く語る優一の正面の席では、武と李(リ)が、河原町の何処のパチンコ屋の釘が甘いのか、優一以上に熱く語っていた。
「(ーー゛)・・・・・オイ、そこの二人・・・・・・・・
楽しそうやな(;一_一)シイ゙ーーー 」
^^;・・・ ^^;・・・
5人が、御幸町のサテン(喫茶店)を出る頃には、
空は漆黒の闇に染まり、彼らの頬を撫でる風も
冷たかった。
学園祭1週間前の土曜日、優一達5人のメンバーは最終
打ち合わせのため、短大を訪れていた。
短大側からは実行委員の泰子と瑛子が対応した。
「いらっしゃ~い♪(*^^)v いやァ~~、大林君に有田君、
久しぶり~~♪(*^。^*)」
泰子は久しぶりに会う同級生・大林武と有田俊夫に嬌声を
上げた。
早速、学園祭のステージになる講堂を見た。
そこは『すり鉢状』の大教室だった。
優一達のステージは『すり鉢の底』と云うことになる。
収容数は500名
入学式や卒業式、それに看護学校恒例の【戴帽式】もここで行う。
問題は無かった。
ここではじめて7人は自己紹介し合った。
泰子は一歩前にでた。
「私は実行委員長の大井泰子です♪林君・大林君・有田君と
は高校の同窓生で、今回も無理を聞いて貰いました。
宜しくお願いします(^_-)-☆
それとこちらは同じく実行委員の藤瑛子ちゃん♪
可愛いやろ?(*^^)v」
「(#^.^#) 藤です。宜しくお願いします。m(__)m」
瑛子は丁寧にお辞儀した。
「あ~、僕がリーダーの林です。ベースやってます。
こいつが大林、ドラムです。
それとこいつがギターの有田で僕ら三人が同じ京南高校の
同級生。
それで彼がギターの東野とボーカルの李(り)です。
有田以外は全員上賀茂産業大学の2回です。 」
メンバーを紹介し終えて、優一は瑛子を見た。
メンバーの一人一人に会釈し終えて、瑛子の視線は
優一に戻った。
(♪南沙織に似てるな♪(#^.^#)・・)優一は瑛子を見て思った・
細身で、浅黒く日焼けした健康そうな肌をしている。
黒目がちの瞳が、キラリっと光った♪
優一達は自己紹介の後
短大近くの【喫茶店・忘れな草で】打ち合わせをした。
優一はそこで当日の演奏曲やイメージを二人に説明した。
瑛子が恐る恐る口を開いた。
「あのォ、うちの学生の場合、あまりハードなロックより、
邦楽の方が良いと思うんですよね^_^;・・
陽水や拓郎の曲を、もっと増やすって・・・
出来ますか?^^;・・・」
瑛子は優一を下から見上げる様に見つめて言った。
「え?・・今から?・・・1,2曲やったら・・・出来んこと・・
ないけど・・・^^;・・」
優一は少し困惑した顔で言った。
(だって、今更・・(>_<)・・ビートルズは有田が外せん
言うやろし、東野も『クラプトン命(--〆)』やし・・・
李(リ)はあのしゃがれ声じゃ、ブルースしか似合わんぜ
(;一_一)・・・困ったな(ーー゛)・・ )
「あのォ・・皆、どう思う?^^;・・・」
優一は恐る恐るメンバーを見まわした・・
「♪ええのんとちゃう?ルンルン♪(#^.^#)♪
僕、フォーク、好きやし♪」李
「♪そやそや♪(#^.^#)瑛子ちゃん、『なごり雪』なんか好き?
ルンルン♪」大林
「あ、僕拓郎やったら何でもイケルでぇ♪(#^.^#)ルンルン♪」東野
「いっそ、フォーク特集にしよか?(#^.^#)ルンルン♪」有田
「・・・・・・(・_・;)・・・・・・」優一
メンバーは、可愛い二人の女の子を前に
♪(^v^)(^v^)(^v^)(^v^)♪こんな顔してた・・ルンルン♪
(・・・・・・・・(;一_一)オマエラ~~~~!・・・・・・・・)
「そうしようか?ルンルン♪(^v^)♪」優一
優一達のハードロックバンドは
一夜にして
フォークバンドに変身した・・・
開演まで1週間前の出来事だった・・
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
喫茶店での打ち合わせを終えて、
七人は短大近くの【餃子の王将・西大路店】に行った。
【餃子の王将】は昭和42年京都市は四条大宮がその発祥で、餃子を中心に低価格でボリュームたっぷりな中華料理のメニューで、食べ盛りの若者に人気があった。
特に、京都市内は言うに及ばず、京都府下の中学・高校の校門の前まで来て、「餃子一人前無料券」の配布をしたため、若者、特に男子学生の間では圧倒的に人気があった。
因みにこの昭和50年頃、餃子一人前の価格は100円だった。
「さあ、何でも注文してやぁ~♪ギャラは出せへんけど、
今日はうちらの奢りやでぇ~♪(^。^)y-.。o○」
泰子は男どもにそう宣言した。
(え?私らって・・・(+_+)・・・泰子さん、実行委員の予算から出す、言うてたやん!^^;・・)
「え? ええの?(#^.^#)わ~~い♪\(゜ロ\)(/ロ゜)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/」
この男達には、
十分すぎるほどの
『殺し文句』だった・・(ーー゛)・・ナサケナイ・・・
( な?(^_-)-☆ イチコロ♪)
泰子は瑛子に振り返り、ウインクした。
( ・・・(ーー゛)・・・確かに・・・)
瑛子は納得した。
七人の座る座敷のテーブルに、20人前の餃子をはじめ、
酢豚・から揚げ・八宝菜・レバニラ炒め・焼きめし・天津飯と
テーブル狭しと並べられた♪
「皆で乾杯しよ♪(#^.^#)」
泰子は言った。
正確にはまだ二十歳に達していないものもいた筈だが・・・
『乾杯~~~♪
ヽ(^o^)丿\(~o~)/( ^^) _旦(^v^)ヽ(^。^)ノ
\(゜ロ\)(/ロ゜)/』
学園祭の前祝いが始まった♪
第3章
翌日から新しいレパートリーの練習に入った。
新しく何曲か入れるのではなく、予定していた曲で
残ったのは「ハードデーズ&ナイツ」と「傘がない」
「夢の中へ」だけ・・
新たに加えたのは「なごり雪」「旅の宿」「22歳の別れ」
「学生街の喫茶店」「卒業写真」「岬めぐり」で、
全9曲。
皆知ってる曲ばっかりだ♪
今週のスタジオでの練習予定は2日間だけで、
本番まであと1週間を切った時点では、とても足りない・・
幸いメンバーの全員が知った曲であったし、
アコースティックギターでの音合わせが出来たので、
メンバーは優一の家に集まり、6畳の優一の部屋で
練習した。
作品名:古都・純情物語 1(1~4章) 作家名:ef (エフ)