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佳品雑感(1000文字随筆)

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(0202) 執筆――執筆動機



▼創作者が執筆をするとき、そこには執筆に向かうための動機というものが存在する。何のために創作をするか、執筆をするか、その意味づけにはもちろん、意味はないけれど、作品がどうして作られるのか、また創作未経験者がこれから何かを作ろうとするとき、どう考えて作品を創作していけばいいか、それを考えるよすがになるのではないかと考えての起筆である▼小説の執筆に対して、よくある二次創作者などは、自分が好きな作品について、それを偏愛するあまりに自分でもそのキャラクターを用いて、「萌え」な作品を書いてみたい、また劣情的な行為をさせて欲望を満たしたいと考えて創作するのであろうけれど、一次創作者であるなら、こういう浮わついた意識は取り払って、もうすこし誠実に作品にあたるべきであろう。では、どのような創作動機がパターンとして考えられるか――▼まず第一に、自分の思い(信念)を表すために、舞台を構築しキャラクターを動かしたいと云う欲望を持つパターン。また、いまの世の中で居場所のない自分が、何か形になるものをつくって自己実現のきっかけにしたいとするパターン。過去に作られた作品などを見て、自分でもこう云う物をつくってみたいと考える憧れ重視のパターン。自分の実力を誇るべく、人々をただ感歎させたいばかりに作品を作り上げる自己顕示欲むき出しのパターン、などなど、他にも考えられるが、こういうパターンはほぼ百パーセント、作品の成功に結びつかない▼ではどういうものが成功に結びつくか。もちろん、自作を愛すことは大切であるが、客観視点を持ち、そのなかで舞台や人物に、描写や説明や台詞に魂をこめて決して妥協せず、自分よりも作品を前に押し出して、自分が黒子に徹すると云う気持ちを持つことが重要になってくる。と、いささか精神論になってしまったが、これを含んでいる作品はとても強い。圧倒的な存在感を持つようになる。作品を作ることで自身を高めるとか、そういう甘い考えは捨てるべきである。自分よりも作品の登場人物のことを気にかけるくらいの気構えが重要になってくる▼執筆動機とは異なるがモチベーションを高める努力も執筆には必要になってくる。一日何枚とコンスタントに書くのが執筆には適している。ある日何十枚、数週間あけてまた何十枚という書き方は癖付けない方がいいだろう。それよりは毎日地道にこつこつやっていく。これである。日進月歩でやっていこう。

(2011.08.11)