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佳品雑感(1000文字随筆)

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(0201) 執筆――書くことと読むこと



▼執筆について思うところを書いてみようと思う。執筆には技術は必要か、これは是であり非であり、議論百出する問題であろうから、ここでは取り扱わない。執筆する人はもちろん、作品をうまく書きあげることは大切であるから、技術もないよりはあったほうがいい、くらいに考えておくのがいいだろう。と、前述で取り扱わないと云いながら、意見を書いたことを平にご容赦願いたい。執筆の実力を向上させるために、何が大切かと考えたとき、車の両輪とでもいうべき重要なことは二つであると考える。つまり、書くことと読むこと▼書くことはもちろん重要であるし、その重要性は誰もが理解できることであろう。書かなければはじまらないのだし、実力の上がりようもないというものである。では、書きまくればいいのかと云えばそうでもない。しっかりと考えて書く。自分のなかにある、どうしても書かなければならないことを見据えながら、着想を紙に落としていく。そうならなければ嘘である。どうして自分はこの文章を書くのかということを見極めたうえで、書きつらねてこそ力はついていくのである。書くことの重要性はここにあらわれ、きわまる▼さて、もうひとつの車輪である読むこと。これも誤解されがちだが、書く実力をつけるためには、読むことは欠かせないものである。ただしこれもいたずらに読みまくればいいというものでは決してなく、しっかりと考え、熟考しながら読んでいくことが実力の底上げを図るのに重要になってくるのである。一口に読むと言っても様々な読み方がある。精読、普通読み、速読、飛ばし読み。私見を申せば、わたしは速読以外、他の三つの読み方は場合に合わせて使い分けている。筆者が誠実に書いていないと思えるものは飛ばし読みで済ますし、心のこもっている文章は精読して敬意をあらわす。読むとは、筆者との声なき対話とでもいうべきもので、書くことと同じくらい精根を籠めることこそ重要である▼と、ここまで書いてきたが、書くことと読むことは同じくらいの重要性を持っていて、どちらが欠けてもいい文章を書くことはできない。たまに、読書をそれほどしていないけど小説を書いてみたと云う書き手が現われるが、そういう作家の作品を読んでみると、いまいち、と感じることが多いように思われる。小説は作り手の実力をダイレクトに伝えてしまう恐ろしいものである。それを意識して、作り手は創作に励むべきである。云々。

(2011.08.11)