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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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こんばんは ④<クリスマスの種>

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「あれあれ疑っておるようだね? じゃあ、良いことを教えてあげよう」

「クリスマスイブの夜、いつもなら寝てしまう時間に、ベランダを覗いてご覧。
 いま、このクリスマスの種を撒いたあたりじゃ。いや探さなくったって直ぐに分かるはずじゃ」

 そう言うとサンタの?おじいさんは、トコトコと歩いて行ってしまいました。

 家に帰っておかあさんにさっきの事を話しましたが、おかあさんは笑うばっかりで全然信じてくれませんでした。


 ――その年の冬、あの夜のことはすっかり忘れていたこうちゃんでしたが、そろそろクリスマスの話題がたくさん聞かれるようになると、あの事が気になってしかたなくなりました。


 そしてクリスマスの夜……。

 こうちゃんは一旦おふとんにはいって寝てしまいましたが、しばらくして目が覚めてしまいました。

 なにやら「シャン・シャン・シャン」という鈴の音の様な音が聞えてきたからです。

 こうちゃんはカーテンを少しだけ開けてベランダを覗いてみました。

 すると、ひとつの鉢から見たことも無い植物が生えて、花を咲かせていました。

 寝る前に見た時には何も生えていなかったのに……。

 花はすずらんの様な花がいっぱい咲いていましたが、良く見るとひとつひとつの花が金色に輝いています。

 そして例の「シャン・シャン・シャン」という音はこの花が揺れて音を出しているのでした。

 だんだん音が大きくなってくると、ベランダのその花の上の空間にぼんやりと光の輪っかが現れました。

 音が大きくなってご近所中のみんなが出てくるんじゃないかと心配しましたが、誰も起きては来ませんでした。