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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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こんばんは ④<クリスマスの種>

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「やあ、こうちゃんだね?」

 はじめて気がつきましたがおじいさんはどうやら外国のヒトみたいでした。

 そういえばこうちゃんの知っているお年寄りにはこんなに背の高い人はいません。

「ボク、このまえもおじいさんを見かけました。
 でも、この近所じゃなくて、おとうさんのいなかでした。
 従兄弟に弟が生まれたのでおとうさんと二人で見に行ったんです。
 夜中にトイレに起きたら。あ、いなかはトイレが外にあるんですケド。
 おじいさんが同じ格好で、その袋をもって歩いてたんです」

 こうちゃんはまだドキドキしたままでした。

「そうかぁ見られちゃったんだね」

 おじいさんはニコニコしながら言いました。

「そうだ君の家も探していたんだ、どこだったかな?」

 やっぱり不思議な事におじいさんは上手な日本語を口をパクパクさせないで喋っています。

 まるで、テレビで見た腹話術のおじさんの様でした。

 こうちゃんの家は大きなマンションです。

 そこの三階におとうさんとおかあさん、そしてついこの間生まれた妹と四人家族で住んでいます。

 おじいさんはマンションの前まで来ると、やはり例の袋から何かを取り出してこうちゃんの家のベランダに投げ込みました。

 そこはこうちゃんのおかあさんが大切に育てている花やハーブの鉢がたくさん置いてあるのでした。

「何を投げたんですか?」

 こうちゃんはあまり相手にしてくれないおじいさんにちょっと怒って言いました。

 なにしろ自分の家のベランダに何かを投げ込まれたのですから。