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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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「っくしょッ!!;」
「まぁ! 緊那羅様お風邪を召しましたのではないのですか?」
元・開かずの間でヒマ子さんに水をやっていた緊那羅がくしゃみをして鼻を啜った
「や…違うと思うっちゃ;」
微妙な鼻声で緊那羅が言った

「…どうしたんだっちゃ京助…;」
片ッポの鼻にティッシュでツッペをした京助に緊那羅が聞く
「なんでもねぇよ;」
京助はほんのり鼻血がにじんできたティッシュを抜いてまた新たなティッシュをつめた
「変なこと考えてたんじゃないんだっちゃ?」
緊那羅が突っ込む
「…お前…言うようになったよなァ;」
クイクイとティッシュを詰めてフンっと鼻を鳴らした京助が緊那羅にいった
「君が変えたんじゃないの?京助」
矜羯羅が言うと京助がきょとんとして矜羯羅を見た
「…は?」
阿呆面で自分を指さした京助の鼻からしっかり詰めたはずのツッペが抜けて床に落ちた
「君と悠助が…」
微笑みながら矜羯羅が悠助を見ると悠助が慧喜と共に矜羯羅を見る
「僕?」
にっこり頷いた矜羯羅に悠助が慧喜を見上げる
「緊那羅だけじゃない…慧喜も制多迦も…そして僕も君たちに変えられている様な気がする」
口元に笑みを浮かべたまま矜羯羅が目を閉じて言う
「…もう少し早くこの空気に出会いたかったよ」
ボソッと聞こえないくらい小さな声で矜羯羅が言った

「ハイ、矜羯羅先生」
京助がスチャっと挙手した
「…何?」
矜羯羅が京助を指さすと手を下ろし矜羯羅に尻歩きで近づく
「…それはいい方に変わったんですか? それとも悪い方に変わったんですか?」
真顔で聞いてきた京助に矜羯羅が少し目を大きくしてしばらく止まった
「……プッ」
そして小さく噴出すと制多迦の肩に手を置いて声なく笑い出した
「なっ!; なんで笑うか!!」
京助が怒鳴る
「…いきん矜羯羅よく笑うよね」
ヘラヘラと笑いながら制多迦が嬉しそうに言う
「笑うことは体にも心にもいいのよ?」
そんな様子を見て母ハルミが言う
「…んがらが笑うと僕も嬉しい」
ウサギの鼻に自分の鼻を付けて制多迦が笑顔で言う
「僕も~! 僕もみんなが笑うと僕も笑いたくなる~!」
悠助が言った
「それはつられて笑ってるんじゃないんですかね? 悠助君」
京助が床に落ちた元ツッペをゴミ箱に向って投げながら言う
「…はぁ~…本当に…」
落ち着いたのか矜羯羅が顔を上げた
「…変えられちゃったみたいだよ僕は」
少し耳が赤くどことなく照れたような顔で矜羯羅が言う
「…くも…」
そんな矜羯羅を見て笑った制多迦が口を開いた
「…くも変わってる?」
そう矜羯羅に向って聞いた制多迦の腕の中でウサギがモゾモゾと動いた
「あら? おトイレかしらウサギさん」
「…;」
母ハルミの言葉に制多迦が慌ててウサギを体から離す
「あ…あ-----------!!」
悠助が大声を上げた