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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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「…本当気に入られたんだね…」
制多迦の頭の上から降りようとしないウサギを見て矜羯羅が言うと制多迦が困ったようなしかしどことなく嬉しそうな笑顔を向けた
「…これからどうするのさ…まさか慧喜みたくココに居座るって言わないでよね」
矜羯羅が流し目入りの視線で制多迦と慧喜を見た
「あらぁ! ウチは構わないわよ?」
矜羯羅の話をきいていた母ハルミが嬉しそうに言う
「私大家族に憧れていたんだもの! にぎやかで!! なんなら矜羯羅君も居座ってもいいのよ?」
「オイオイオイオイ;」
にっこりと矜羯羅に笑顔を向けた母ハルミに京助が裏手突っ込みのポーズで突っ込む
「あら京助…アンタお兄さん欲しいって言ってたじゃないの」
母ハルミが言う
「いつの話しだ;いつの; …第一…矜羯羅と制多迦が俺の上って…さぁ;」
京助が矜羯羅と制多迦を見て言う
「格好いいお兄さんで自慢じゃない」
母ハルミがにっこり笑う
「…あのなぁ;」
溜息をつきながら京助が肩を落とす
「タカちゃんときょんがらさん一緒に住むの?」
話に入ってきた悠助が嬉しそうに矜羯羅を見た
「…住めないよ…僕達は」
微笑みながら矜羯羅が言う
「なんで~?」
残念そうな顔をして悠助が聞く
「…なんでも」
悠助の頭を撫でて矜羯羅が言うとぷぅっと悠助が膨れた
「じゃぁこのウサギはどうするんですか?」
慧喜が少し怒った様に矜羯羅に聞く
「ハルミママ~飼っちゃ駄目?」
悠助が母ハルミに向けておねだりビーム (と言うか眼差し)を放った
「…そうねぇ…このまま飼い主がみつからなかったら…考えてもいいわよ? でも…」
母ハルミの次の言葉に一同が耳を傾けた
「…ウサギってね…寂しいと死んじゃうのよ」
眉を下げて言った母ハルミを一同が見る
「…死んじゃう…?」
悠助が制多迦の頭の上のウサギを見た
「だから飼うのは結構難しいの…甘えん坊さんなのよ」
母ハルミが更に言う
「……」
制多迦が頭の上からそっとウサギを降ろして腕に抱いた
「もしあん時…見つけてなかったら死んでたかもな…ソイツ」
京助がボソッと言った
「人間だってそうでしょ? 誰にも構ってもらえないで生きていけはしないんじゃないかしら…どんな小さな事だって誰かに手を借りているものじゃない? 一人では生きてはいけないの…どんな時も誰かしろ手を差し伸べてくれてるんじゃないかしら」
母ハルミの言葉に制多迦が矜羯羅を見た
「…何?」
制多迦の視線に気付いたのか矜羯羅が制多迦を見た
「…っか…だから僕には矜羯羅がいるんだね」
ヘラリと制多迦が笑った
「俺には悠助がいる」
慧喜が思い切り悠助を抱きしめる
「慧喜苦しいよ~;」
抱きしめられた悠助が足をバタバタさせた
「義兄様には緊那羅?」
「は?;」
我関せずのごとくハナクソをほじっていた京助の片鼻からたらりと鼻血が流れた