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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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「タカちゃん…それ最新ファッション?」
校門前で悠助と慧喜と共に京助達を待っていたらしい制多迦の頭の上を見て南が笑いをこらえながら言った
「…や…なんだか気に入ったらしくて…降りてくれない;」
いつもの摩訶不思議服ではなく京助の服を着た制多迦の頭の上には黒いあの子ウサギが気持ちよさそうに居座っている
「生きたウサギの帽子ってこれまたオッシャレ~」
坂田が茶化すように制多迦を肘でつついた
「しかしよく落ちないでいるよなァ…コイツ;」
京助がウサギの鼻を指で突付きながら言う
「あのね~タカちゃんの髪僕が結んだんだよ~」
悠助が制多迦を見上げて笑う
「だいぶ上達したよな~凄いぞ悠!」
坂田が悠助の頭をわしゃわしゃ撫でると慧喜に睨まれた
「赤毛のアンみたいで可愛いぞタカちゃん!」
中島が言うと絶対わかっていないんだろうが制多迦がヘラリ笑顔を中島に向ける
「ってかコイツ名前は?」
背伸びをしてウサギを撫でた南が聞く
「いやまだついてない…んだよな?」
京助が制多迦を見ると制多迦が頷いた
「我輩は黒ウサギである、名前はまだない」
坂田がボソッと言う
「あ、それ確か旧千円札の…リンカーン?」
中島が言う
「ちゃうだろ~? 夏樹さんだか…アレ?;」
言った坂田が何かおかしいと考え込む
「西城ヒデキだったか?」
京助も答える
「ソレはワ~イエムシエ~のヤツじゃん! …なんつったっけなぁ~; タカモリだっけ?」
坂田が丁寧にも【YMCA】と振り付けも交えて突っ込んだ

「土方歳三」
「聖徳太子」
「碇シンジ」
「諸葛亮」
「南と京助の人物はあからさまに違うと思います先生」
帰り道で【吾輩は猫である】の著者の名前が思い出せない3馬鹿と京助の思いつく名前をあげていこう作戦が実行されていた
「…制多迦様首疲れませんか?」
慧喜が制多迦を見上げて聞く
「…いじょうぶ」
上目を使ってウサギが頭に乗っていることを確認しながら制多迦が笑う
「そのウサギ本当タカちゃんが好きなんだねッ」
慧喜と制多迦と手を繋いで挟まれるように歩いていた悠助が制多迦を見上げて笑う
「俺は悠助が好き」
慧喜がそんな悠助に笑顔を向ける
「僕も慧喜好き~」
そんな慧喜に悠助も満面の笑みを返した
「でもタカちゃんも好きだよ」
またも笑顔を向けてきた悠助に制多迦がきょとんとした
「一番は慧喜だけどタカちゃんもきょんがらさんも好き~」
【タカちゃんも好き】発言に少々ムッとした顔をした慧喜だったがその後の【一番】という言葉を聞いて顔を赤らめ嬉しそうに笑った
「…く?」
制多迦が自分を指さして悠助に聞く
「うん!」
悠助が笑顔で頷く
「俺も制多迦様好きですよ?あ、一番は悠助ですけど」
慧喜も制多迦に向かって言った
「…んとうに?」
制多迦が信じられないというような顔で二人を見た
「本当! 僕タカちゃん好きだよ?」
悠助が言うと慧喜も頷いた
「俺もタカちゃん好きよ!」
「…わ;」
いきなり抱きついてきた中島に制多迦が頭の上のウサギを押さえて足を踏ん張った
「危ないじゃないか! でっかいの!!」
悠助を庇った慧喜が中島を睨む
「まぁまぁ慧喜ッちゃん落ち着いて; コレが愛情表現だということで」
南がヘラヘラ笑ながら制多迦の肩を叩いた
「タカちゃんは? 俺等のこと好き?」
中島が抱きついたまま制多迦を見る
「あ、中島の方若干背ぇ高ぇんだな」
京助がボソッと言う
「…くも好き」
しばらく間をおいてヘラリと笑いながら制多迦が言った