小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第七回・四】うさもさ

INDEX|4ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「ねぇねぇ! 名前なんていうの?」
悠助がウサギを撫でて制多迦に聞いた
「…かんない;さっき見つけたばっかりだし…」
制多迦が苦笑いを悠助に返した
「じゃぁつけようよ! 名前!! なにがいいかなぁ~…」
悠助がパンっと手を叩きウサギを見ながら名前を考え出した
「ピョン…とかありきたりだし…」
何個か候補があるのかソレとも思いつきなのか悠助がいくつか名前をあげていく
「タゴサクとかは?」
いつの間にいたのか京助が悠助の頭に手を置いてウサギを覗き込んだ
「駄目~そんな名前ッ!」
悠助が京助の手を払いのけて怒る
「そんなって…お前…全国のタゴサクさんが嘆くぞ? そんなって」
京助が悠助の頭をポフポフ軽く叩いて制多迦の隣にしゃがんだ
「どっかの家から逃げてきたのかなァ…コイツ」
京助がウサギを撫でるとウサギが鼻をヒクヒクさせる
「…だ目…開かないね」
制多迦が指でそっと開かないウサギの目元を撫でた
「え? 目開かないの?」
悠助と慧喜が同時に言うと制多迦が頷いた
「もし逃げてきたんなら飼い主探してやらないとナァ…心配してるだろうし」
チョイチョイとウサギの鼻を突付いて京助が言う
「家で飼えないかなぁ?」
悠助がチラっと京助を見上げた
「…たぶん駄目って言うと思うぞ;」
京助が悠助から目を逸らしてボソッと言うと悠助が膨れた
「…ょうすけ」
制多迦が京助を呼んだ
「なした? …ハイハイ;」
京助が制多迦を見るなり数回頷き歩き出した
「…どうしたんですか?せいた…」
上から制多迦を覗き込んだ慧喜が言葉を止めた
「…うんこ…」
悠助が制多迦の膝にあった5つのこげ茶色の玉を見てボソッと言った
「硬めでよかったじゃん」
ヘッと笑いながら戻ってきた京助の手にはティッシュの箱があった

「…なにそれ」
制多迦の腕の中の黒い生き物を見て矜羯羅が顔を歪めた
「…サギ」
ヘラリと笑って制多迦が答える
「…どうしたの?」
腰に手を当てて矜羯羅が再び制多迦に聞く
「…わにいた」
ヘラリ笑顔は矜羯羅に向けたまま制多迦はウサギを撫でた
「…で?」
矜羯羅が言うと制多迦が首をかしげた
「どうするのさソレ…まさか連れてはいけないよ?」
しゃがんでウサギを突付いた矜羯羅に制多迦が少し上を向いて何かを考えている
「…うしようか;」
そしてヘラリと言う笑顔をまた矜羯羅に向けた
「…制多迦…だんだん…馬鹿になってきてない?」
矜羯羅が溜息をついて制多迦の髪を引っ張った
「…たいよ;」
制多迦が髪を掴んでいる矜羯羅の手を掴んだ
「…なんだかお前等…だんだん鳥類と乾闥婆に似てきてねぇ?;」
二人のやり取りを見ていた京助が口の端をあげて言った