小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第七回・四】うさもさ

INDEX|2ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「…くが眠ると目覚めた時は…周りがみんな赤かった」
制多迦が目を閉じて答えた
「…ままで何度か眠ったけど起きるといつもその赤い中に矜羯羅が悲しそうな顔でいるんだ」
再びコマとイヌを撫でながら制多迦が言う
「…夢か?」
京助が聞くと制多迦が苦笑いを返した
「…して言うんだ矜羯羅が…【僕がいるから】って」
京助がパックから抜いたストローを咥えたまま制多迦の話を聞いていた
「…くは寝ちゃ駄目なんだ」

スコーン

そういいながら眠そうにあくびをする制多迦の頭に京助がパックを投げつけた
「…起きたか?」
「…こし中身かかったよ;」
制多迦が自分の袖口で中身がかかったらしい頬を拭った

ガサッ

ふいに庭先から聞こえた音に制多迦が片腕を京助の前に出した
「…制多迦?」
いきなりの制多迦の行動に京助が制多迦を呼ぶ
「…にかいる」
制多迦がボソッと言うと京助も庭を見渡した
「何かいるんだやな」
いつの間に目を覚ましたのかコマとイヌも尻尾を立てて庭に降り立った
「…がって京助」
制多迦も庭に足を下ろした
「そこなんだやなッ!!」
イヌが勢いよく駆け出した
「あ…オイ!?;」
イヌが駆けていった方向を制多迦と京助が見る
「…なんなんだやな…コレ」
ピンと立っていたイヌの尻尾がヘタリと地面についた
「なしたんだやな?」
コマが駆け出しイヌの元に向った
「…生き物…なんだやな?」
コマが何かに鼻を近づけて匂いをかいでいる
「…なしたよ?」
京助がサンダルを履いて庭に降り二匹の元に向う
「…まっくろクロスケ?;」
まだ新芽が出たばかりの庭木の下にあったのは黒く丸くそして
「…あったけぇけど…生きてるんだよな?;」
京助が恐る恐る手で触るとその黒く丸い (たぶん)生き物がピクっと動いた
「…ウサギ?;」
動いたことにより後ろに倒れていた長い耳がピンと立った
「ウサギなんだやな」
コマが言う
「黒ウサギなんだやな」
イヌも言う
「…サギ?」
制多迦が京助の肩に手を置いて覗き込んできた
「そ! ホレ」
抱き上げて制多迦の顔の前にウサギを突き出した
「…サギ?;」
いつも半分閉じているようなうつろな目を大きくして制多迦がウサギを見る
「…抱いてみ?」
京助に言われて制多迦が両手をゆっくり伸ばした