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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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正月町中に聞こえたかもしれない緊那羅の声に3馬鹿が耳を塞いだ
「…スッゲェ声量;」
坂田が目を丸くして呟いた
「…俺モロ耳元; うぇあ;」
緊那羅のすぐ隣にいた南が小指で耳の中をほじっている
「なんで矜羯羅が制多迦にあのお守りを渡したのか…どうして考えないんだっちゃ…矜羯羅は…ッ」

「落ち着けメガホンいらず;」
京助が緊那羅のポニーテールを引っ張った
「いっ…; …京助…と…矜羯羅だっちゃ?;」
京助の後ろから逮捕された時の容疑者のごとく頭からバスタオルを被っている矜羯羅を見て緊那羅が言う
「…んがら…」
制多迦が矜羯羅に声を掛けると矜羯羅らしきバスタオルを被った人物がピクッと反応した
「お前声でかすぎ;」
京助が頭を掻きながら言う
「だってッ;」
「だってもヘチマもヘッタクレもあるか;」
はぁと溜息をついた京助に緊那羅がしゅんとなる
「制多迦」
京助がカムカムポーズで制多迦を呼ぶと制多迦が首をかしげながら京助に近づいた
「さってと…じゃもう一回言ってくれないかね? お前の願い事」
京助が制多迦に言うと矜羯羅がバスタオルを払って制多迦を見た
「皆の衆耳の穴かっぽじってよぉ聞くようにの」
京助が3馬鹿に向って言うと3馬鹿が揃って耳を制多迦に向けた
「…京助…何…」
緊那羅が【もう一回同じ願い言ったらもう一回殴るぞ】的目で制多迦を見ている矜羯羅を見て京助の肩を掴んだ
「…いいから」
そんな緊那羅の手を掴んで京助はニカッと笑うと制多迦を見た
「…くの願いは僕が僕でなくなること…」
「ッ…!!」
制多迦の言葉に矜羯羅が眉を吊り上げた