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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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「…ラムちゃんの声聞こえなかった?」
沈黙が続いていた茶の間で南が言った
「聞こえたな」
中島が言う
「しかも怒鳴ってたな」
坂田も言う
「…なんだか…ややこしいことが巻き起こりそうじゃないですか…;」
京助が立ち膝に手をつき立ち上がる
「そのややこしいことに首突っ込んじゃう俺らって相当暇人?」
南がケラケラ笑った
「京助」
茶の間の戸に手をかけていた京助に中島が声を掛けた
「緊那羅の方は俺等がいくからさ…その…お前は…」
そう言った中島がチラッと矜羯羅を見る
「…あいさ」
京助が苦笑いを返すと中島も苦笑いを返した
「じゃ、まぁ頼んだ」
「了解」
茶の間の戸を開けると南と坂田に続き中島が廊下に出た
「おンまえもいいだけ意地っ張りだよなァ;」
茶の間の隣の和室に向いながら京助が言う
「ホラよ」
ほんのり柚の香りがするバスタオルが宙を飛んで矜羯羅にかかるとそのバスタオルを矜羯羅が掴んで顔を隠す
「…俺最近泣きに付き合ってばっか」
テーブルを挟んで反対側に京助が座った

「きゃー! 浅葱散乱!!;」
南の声に緊那羅と制多迦が振り返る
「あ…ごめんだっちゃ;」
緊那羅がはっとして慌てて浅葱を拾い出した
「タカちゃん最近変わったファッション多いねぇ;」
中島が制多迦の頭やら肩についている浅葱を払いながら言う
「で? 何が原因」
坂田が緊那羅に聞くと緊那羅が浅葱を拾う手を止めた
「…さっきの矜羯羅から繋がってるように思えるんだけどさ」
更に坂田が聞く
「矜羯羅は…矜羯羅は制多迦だからあげたと思うっちゃ…なのに…ッ」
緊那羅が浅葱を握り締める
「ラムちゃん落ち着いて落ち着いて; ハイ深呼吸~」
南が緊那羅の背中を撫でながら言う
「…タカちゃん…ほっぺ腫れて話しにくいかもしれねぇけど…」
中島が制多迦を見た
「…くは…僕の願い事を話しただけで;」
片手で頬をさすりながら制多迦が言う
「っ…あんな願い事なんて認めないっちゃッ!!」
「ラムちゃんどーどー!!;」
怒鳴った緊那羅を南が宥める
「制多迦が制多迦じゃなくなったら矜羯羅は一人になるんじゃないっちゃかッ!!」
南の宥めを振り切って緊那羅が言った
「…も僕がいなくても皆がいるし…僕がいなくても…」
「…ッ阿呆--------------------------------------------!!!!!」