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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・四】うさもさ

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「ウサギの名前考えようか」
にっこりと笑顔で言ってきた矜羯羅に悠助が躊躇いながらも頷く
「まだ飼うって決まったわけじゃないんんだけどなぁ;」
鼻血が中で固まっているのがいずいのか京助がしきりに鼻をフンフンと鳴らしながら言う
「京助…ウサギみたいだっちゃね」
同じく鼻をフンフンさせているウサギを見て緊那羅が言うと一瞬茶の間が静まった後
「…ブッ!!」
慧喜の噴出しと共に笑いが巻き起こった
「あはははははは!! 緊ちゃん! 上手いこと言うわね~!! 座布団4枚!!」
母ハルミが手を叩いて笑う
「…う…さっ…義兄様ウサギ…ッ!!」
何がそんなにツボに入ったのか慧喜が苦しそうに震えながら言う
「慧喜笑いすぎ~」
悠助もまわりにつられたのか笑い出した
「…バニーボーイにでもなろうか? え?」
そんな一同を見て京助が言うと更に笑い声が大きくなる
「…んがらも笑いすぎ;」
自分も涙を流して笑っているのにもかかわらず畳をバンバン叩いて声を出さずに笑っている矜羯羅の背中をさすりながら制多迦が言う
「…本当にバニースーツ着るぞコラ」
一向に笑いが止まない茶の間で京助がボソッと言った
「ば…バニースーツって…どんなんなんだっちゃ?」
ヒーヒー言いながら緊那羅が京助に聞く
「…こう…ここがこう! クィっとなって…あっはん?」
「義兄様もうや--------------------------!!」
もうヤケになったのか京助が立ち上がりコマネチラインをクイっとなぞりながらバニースーツの説明をすると慧喜が倒れこんで涙を流しながら笑い出した
「やだもう京助…ッ! お腹痛いわぁ!!」
母ハルミも涙を流しながら笑っている
「…っく…」
蹲った矜羯羅の背中に突っ伏して制多迦も限界とばかりに肩を震わせて笑い続ける
「京助へんたーい」
悠助が京助を指さして笑う
「今更だ!ばかめ!! …じゃないたわけ!」
京助が笑いながら誰かの真似をすると慧喜がひっくり返って足をばたつかせて笑う
栄野家の茶の間発爆笑トルネードが落ち着いたのはそれから結構経ってからだった

「あ~…無駄に疲れた…;」
でべろ~っと床に長まった京助が気力なく呟いた
「義兄様が…変なことするから…」
一番笑い転げていたと思われる慧喜が悠助に膝枕されて疲れきった顔をしている
「緊那羅が元はだろうが;」
ペシっと隣にいた緊那羅の足を京助が叩いた
「…私はただ本当のこと…言っただけだっちゃ…;」
ズリズリと緊那羅がずり落ちてきて京助の背中に頭をつけて同じく長まった
「…笑うのって結構体力使うよね…」
矜羯羅も壁に寄りかかって溜息を吐いた
「…も」
制多迦が体を起した
「…くは笑うの好き」
ヘラリと笑顔で制多迦が言うと同感とばかりに皆笑顔になった