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秘められた想い

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ここから大垣まで乗り換えなしで向かうことになる。田村は嫌な予感にさいなまれた。
本日の第四ランナー、大垣行きがやってきた。2223F。白い車体にオレンジの帯。
嫌な予感の通り、通路まで人で一杯だ。到底座れそうにない。
「ここから二時間、立ちっぱなしだ」
「げんなりだわ」
「先頭車両から景色を眺めよう」
「それで気がまぎれるかな?」
豊橋を過ぎても、車内は混雑したままだった。
「また乗り込んでくるわ」
「これが人生だね。どうしても耐えるべきときが訪れる」
313系は、前面眺望がいいことが、救いと云えないこともない。
「線路がまっすぐで、いい感じよ」
「天候も回復してきたね」
 雲の切れ目の青空が清々しい。順調に遅れを取り戻すべく快走していた新快速だが、刈谷を過ぎて鉄橋を渡った所で、ゴツンという鈍い音がした。
「いやだ、何!?」
作品名:秘められた想い 作家名:マナーモード