小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

秘められた想い

INDEX|4ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

「覚悟して。寒いぞ」
「凍死しないように守ってね」
北風が舞う国府津駅で、次の列車を待つ。灰色の海に、白い波が見える。田村は理絵と腰を抱き合っていた。それでも、やはり寒い。ふたりでふるえていた。それを互いに感じ合っていた。列車の到着が待ち遠しい。
漸く熱海行き「アクティー」がきた。緑とオレンジだけの古い車両、113系である。グリーン券は熱海まで買っていた。
必死で乗車してみると、シートピッチが少々狭くて窮屈な感じだ。驚いたことに車内は混んでいる。帰省客だろうか、大きな荷物を抱えた家族連れが多く見られた。
「電車での帰省は大変ね」
「荷物が多いときは車がいいね。でも、渋滞が半端じゃない」
この二階建て車両は網棚がないので、大きな荷物を持っていると不便である。国府津からおよそ三十分で、熱海に到着した。
「温泉に入りたいわね」
「今日中に京都まで行きたいんだろう?」
熱海駅で待っていた第三走者は浜松行き普通435M。113系4両の短い編成である。
作品名:秘められた想い 作家名:マナーモード