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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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ドラえもんの机

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 少し機械的な音声を発した。
「やあ、ボクを呼んだのはキミかい?」
 その顔に窓から入る光が当たると、丸かった瞳孔がキューっと狭まって縦に細くなった。

「うん、ボクは伸夫。君はドラえもんなの?」
「いや、ボクには名前はない。ボクは超リアルギミックのネコ型アンドロイドだ。型式はBCT-2021PT。でも、君がドラえもんと呼びたければそう呼べば良い」

「じゃあ君はドラえもんだ」
 伸夫はニッコリと微笑んだ。

「ところで君は何をしに来たの? やっぱり未来の僕の子孫が送ってくれたのかなぁ?」
 伸夫は床に腹ばいになって、顔がくっつく程になってドラえもんに話し掛けた。

「さて、それはボクには分からない。ただ、ボクは伸夫の望みを適える為にやって来たのだ」
 ドラえもんは深いブルーの瞳をキラキラさせていた。

「わぁ、ホントにぃ? ボクねぇ、運動が出来る様になって、頭が良くなって、ケンカが強くなって、西賀や曽根を見返してやりたいんだけど……できるかなぁ……?」

 伸夫の望みがかなり難しかったのか、ドラえもんは暫く沈黙してしまったが、やがて全身が眩いイルミネーションに包まれた。
 そして机に飛び乗ると、ボディのあらゆる部分が開口して行った。

 そしてあっけに取られている伸夫に襲い掛かるや、身体の各部に潜り込み一体化してしまった……。
作品名:ドラえもんの机 作家名:郷田三郎(G3)