つぶやき詩集 (2)
秋のめざめ
ぐっすりと寝た朝
爽やかなめざめ
暖かいシャワーが気持ちいい
レンジで温めたマグカップのお湯に
いつものインスタントコーヒーを入れる
香りだけはいっちょ前のコーヒー
めざめたばかりの脳にはいい
しかしまだ鏡を観る気になれない
パソコンを開く今日の予定もまだ観たくない
昨夜の食べかけのバームクーヘンを
コーヒーに浸して口に放り込んだ
マイミュージックに入っているカントリーをかける
ゆるやかに流れる朝の時間を楽しむ
でも、まだ鏡は観たくない
部屋の薄暗さに天気の悪さに気付く
でも、まだ予定は観たくない
でも日記は続く
コーヒーもバームクーヘンもなくなった
でも、まだ鏡は観たくない
誰かの、そろそろでしょ?
そんな声も今は昔
このゆるやかな時間は俺だけのもの
だからまだ予定は観たくない
そんな秋のめざめの時間
あらっ?
まだ何も身に付けてなかった
色っぽくねえ~
でも、まだ鏡も予定も観たくない
作品名:つぶやき詩集 (2) 作家名:Riki 相馬