もう一人の私 (Another me.)
「ようこんなアホな質問ばっかりで、もっと格調高い質問はないのかよ、
これがアナザー・ミーを作るための必要な基本情報ってか、バカにすな!
しかしなあ、よくよく考えてみると、チンチンの向きって案外潜在的に人格形成に影響を与えているのかもなあ、環境設定としては割に的を射ている質問かも知れないよなあ」
高見沢は不思議に感心している。
そして、やっと200項目の基本情報収集、そのための解答が終わった。
次は『知・情・意』に大分類された質問。
画面に順次表示される約3000項目の質問に、機械的に答えていくだけなのだ。
その答え方はいたって簡単。丸ペケ三角(○X△)方式で、YESなら○、NOならX、どちらでもないのなら△をクリックするだけ。
しかし高見沢は、「貴方のチンチンの向きは、どっち向き?」という類のアホ質問に、どっと疲れが出てきてしまっている。
「あ~あ、やっぱり俺は高貴で、精神的に弱いから、もう耐えられないよ、まだ3000項目の答えを入力しないとダメなのか。今度の土日に続きをやってみるか」
高見沢はその日のところは疲労でそこまでとし、一旦作業を中断させた。
作品名:もう一人の私 (Another me.) 作家名:鮎風 遊