もう一人の私 (Another me.)
「皆さん、皆さんのパソコン内に、二郎が突然お邪魔するかも知れません。そんな時は、メッチャおもろいやつなので、どうか可愛がってやって下さい」
高見沢はそう願い、じっと目を閉じる。
胸にジーンと込み上げてくるものがある。そして、静かに呟くのだ。
「サラリーマンには、歩めなかった人生、それをもう一度やり直したい。しかし、俺にはもう怖くってできないよなあ。
もう一人の私の二郎が、俺に代わって、もう一つの人生を強く生き直してくれますように。
そうだ、二郎、お前に言葉を贈ろう」
高見沢は大きく息を吸って、今までの人生のすべての夢が凝縮されたような声を、ここに発するのだった。
「Free and easy as your pleases on my another me !」
「私のもう一人の私に・・・・・・自由奔放であれ!」
おわり
作品名:もう一人の私 (Another me.) 作家名:鮎風 遊