こんな気持ち
そんな少し不安な毎日を過ごしていたある日。
京ちゃんといつものように携帯でメールしていると
いきなり電話が鳴って、画面を見ると京ちゃんからだった。
「どうしたの?急に電話してくるなんて!?」
びっくりして私がそう聞くと
「だって、メールは面倒なんだよ。今、運転中だったし…
直接電話したほうが早いや!って思ってさ! 声も聞きたかったし〜」と言う。
「車運転してるんなら、電話したらダメじゃん!」
「大丈夫。お巡りさんが来たら『なんだか携帯の調子が悪いから見てたんです』って言うから平気だよっ!」
私はなんだかおかしくって、笑いながら話を続けた。
久しぶりに聞く京ちゃんの声は弾んでいた。
たぶんの私の声も同じだったろうと思う。
少しずつ遠ざかって行くような、不安を感じていた矢先の京ちゃんの声は、何ものにも代え難いほど、嬉しいものだった。
そして、やっと次のデートの日が決まった。
それも今度の日曜日。
本当なら、京ちゃんが仕事の予定で会えない日だった。
ところが、仕事が急遽なくなって、時間が取れたのだ。
但し、午後からだったが……。
それでも嬉しかったし、十分だと思った。
いよいよ明日はデートだっ!っていう日の夜
京ちゃんから電話が来た。
「もしもしぃ〜」と出ると
「ごめ〜ん。明日ダメになっちゃったんだよぉー」と言う。
「ええーっ!! なんでぇ〜?」
「ごめん! 急な仕事でどうしても行かなきゃならないんだ。ホントごめん……」
「…………」
「僕だってホントは会うの楽しみにしてたんだ。なのにさぁ……。でも、次の日曜日は絶対、何が何でも休むからねっ!」
「予定入れちゃダメだよ!!」そう言って電話は切れた。
仕事なら仕方ないなぁ〜とは思うものの、やはりガッカリだ。
やっと会えると思ってたのに……。