こんな気持ち
それから瞬く間に1週間が過ぎ、やっと久々のデートの日。
お天気は上々。約1ヶ月ぶりに見る京ちゃんの顔だ。
なんだか懐かしい気さえする。
まだ付き合いはじめて日は浅いのに。
京ちゃんの顔を見るだけで、自分の顔がにやけてしまうのがわかる。
京ちゃんの顔も、おんなじだった。
いつも電話で話してても、ずーっと笑ってる状態。
でも実際、顔を見て話すと少し照れくさい。
「さぁ〜、今日はどこへ行きましょうか? お姫様ぁ」
京ちゃんがふざけて聞いた。
「じぃ。良きにはからえ!!」
と、私もふざけて返した。
「さぁ〜、じゃあ出発しますか?」
と、京ちゃんが車を出した。
私たちはその日、京ちゃんの提案で映画を観に行くことにした。
前々から京ちゃんが行きたいと思っていた映画だ。
地球が滅亡の危機に……そして助かるためのノアの方舟。
しかし乗れる人は限られている。
それに乗るための数々の策略、そして涙を誘う家族愛や人類愛。
愛には色んな形があるけれど、映画の底に流れる愛に感動して、私たちは涙を拭いた。
私は京ちゃんが涙を流すことにも喜びを感じた。
ひとつの物を見て、同じように感動できる。
感性の共鳴できる人に出逢えた喜びだった。
映画を観た後、京ちゃんが買い物をしようと言い出した。
一体何を買うんだろうと思いながら、手をつないで歩いていると、アクセサリーの店の前で足を止めた。
「今着けてるペンダントをはずして欲しいんだ!」
そう言って、新しいペンダントを探してくれた。
やきもち? 今まで一度もそんな事なかったのに……。
私が、他の人から以前もらったペンダントを着けているのが、なぜかとっても気になったらしい。
私にはちょっと意外だったけど、新鮮な喜びだった。
京ちゃんはやきもちなんか妬かない人だと思ってたのに……嬉しかった。