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ef (エフ)
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夢の途中10 (302-352)

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尤も優一はギターを間違えずに弾くのが精いっぱいで、北門の仕草には気付かなかった。

ステージを降りた北門が香織と向かい合った♪
香織のステップに合わせ、ラテンの身のこなしをする北門♪

彼も札幌のアマチュアダンス界ではラテンの名手に数えられていた♪



♪ツン~ツツツ~~ン♪ツツッツ~ン♪ツッツ♪・・

曲の中盤を過ぎて、ようやく優一のギターにも余裕が出て来た♪
バックのベースやドラム、パーカッションのリズムに気持ち良く乗りながら演奏出来た♪

ステージを見やると、いつの間にか北門が【宣言通り】香織と踊っている♪
香織も北門もそれに気付き手を振った♪
演奏前の憂鬱な気分とは真逆で、最高の気分だった♪

そして優一は何とかエンディングまで弾き終えた♪

曲が終わると、フロアの人々が立ちどまり拍手が起きる♪
北門がステージに飛び乗り、
[いやぁ~~、素晴らしい~~♪先輩、30年前より腕を上げられたんじゃないですか?
皆さん、今一度林優一さんに拍手をお願いします~~♪(^.^)/~~~]

ワアア~~~♪(#^.^#)(*^_^*)(^u^)ヒュ~~ヒュ~~♪
(^^♪(^_-)-☆(^v^)(^^)/(^O^)(*^^)vパチパチパチ♪

[先輩、無理言って済みませんでした^^;・・・]
「本当に済まないと思ってんのか?(-_-メ)ア~ン?・・・
プツ♪冗談だよ♪(^_-)-☆ありがとう♪逆に礼を言うよ♪」
[先輩、香織さんとお幸せに♪(*^^)v]
「ああ、♪  香織にも言っとく♪(^^)/」
ステージ上で二言三言北門と言葉を交わし、優一はステージから降りた。

『アナタ、とっても素敵だったワ♪(#^.^#)』
「ああ、なんとか恥はかかずに済んだよ♪^^;・・」

こうして北国の熱いダンスパーティーの夜は終演を迎えた。





「あああ~~、疲れたァ~~!(*_*) 」パタン!
『あああ~~、楽しかったァ~~!(*^^)』パタン!

パーティーも終わり、ホテルの部屋に帰ると、其々のベッドに二人は倒れ込んだ。
もう日付は変わっていて、1時近かった。

『アナタ、先にシャワー遣って良い?』
「ああ、どうぞ♪僕は夜景を観ながらもう一杯やってるから♪^^;」
優一は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、窓辺の椅子に座って呑んだ。

カラカラに乾いた喉にビールがしみこんで行く。
窓の外には夕刻から少し降った雪が辺りを覆っていた。
既に雪は止んで天空には白い月が昇り、青白い光が雪に反射して妖しく明るい・・・

この北の大地で香織と出逢った。
それまで、お互い傷つき、辛い時期も在った・・・
それは香織と出会うまでの必然だったのか?
いや、それでは瑛子にも、真知子にも申し訳ない・・・
彼女達との時間も全て掛替えの無いモノに違いないのだから。

深く考えるのはよそう・・・
今の自分に素直になろう。

今は香織だけを愛せば良いのだから・・・

香織と入れ替わりにシャワーを浴びて出た優一は、パウダールームに香織が用意した光沢のあるシルクのパジャマを着ていた。
淡い藤色の上下だ。

『まあ、アナタ、とってもお似合いよ♪(^_-)-☆うふふふ♪』
そう云う香織も同じ色の同じ光沢のナイトウエアーを着ている♪
ワンピースと云うより、ロングドレス、否、ウエディングドレスと言った方が近いかもしれない♪
さすれば、優一の上下もタキシードに見えない事もない♪

「香織も素敵だね♪(*^^) そうだ、部屋の明かりを落とそうか? 
香織、窓のカーテンを全開にしてごらん?」

優一はそう云うと部屋の明かりを全部消し、香織は言われた通り窓のカーテンを開いた。
地上20階の二人の部屋に、青白い月の光が雪に反射してす~~っと入って来た♪
窓辺に居た香織の全身を月の光が照らしている・・・

『まあ、とても綺麗なお月さま♪(#^.^#)』
「この光りの中で今日の復習をしようか?^^;・・」
『まあ、熱心な生徒さんだ事♪(^_-)-☆』

香織の傍に優一が近づき、左手を香織の背中にあて、右手を高く香織の手と合わせる♪
二人の顔と顔は間近に在って、
『そう、じゃァ、スロ~~、スロ~~、クイック、クイック♪良いわよォ~~♪スロ~~、スロ~~、クイック、クイック♪(#^.^#)』
二人は音楽も無しで、軽快にワルツのステップを刻み始めた♪
『そうそう♪その調子♪スロ~~、スロ~~、クイック、クイック、ああ~~!(゜-゜)』
「あ、ゴメン!(>_<)」
ターンした時に二人の脚が交差して、そのままベッドに倒れ込んだ!
「(^_^;)ゴメン♪ でも、ベッドが此処に在って良かったね?」
『うふふふ♪(#^.^#)それ、どう云う意味?』
「まず、香織に怪我をさせずに済んだし、それに・・・・」
『それに?(#^.^#)』
「こんな事も♪(^_-)-☆」
優一は下になった香織の顔に唇を寄せた♪
香織も待ち切れずに迎えに行く♪
重なった二人の唇が激しく求め合った♪



唇を合わせながら香織のナイトウエアーを肌蹴る優一
露わになった香織の身体に、月の光が美しい陰影を作っている
優一の手の中で変形を繰り返す香織の乳房
貪り合うように唇を重ねるふたり

優一の唇が香織の耳朶を噛み、うなじに滑り降りて行く
肩口から脇に降りて乳房を口に含んだ
うっとり目を閉じた香織の唇から熱い吐息がもれた

さらに唇は香織の肢体を滑り降りる
優一は香織の陰りに口付けた
すすり泣くように官能の声を上げる香織
波のようにうねる香織の肢体
香織の白い肌が紅潮して行くさまが、僅かな月明かりにも見てとれた

優一の身体が香織に重なる
身体を開いた香織が優一に縋りついた
猛々しい優一の高まりが香織を貫く
下から香織が濡れた瞳で優一を見つめている
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり香織を貫く
堪えていた香織の悦びの声が、堰を切ったように部屋中に響いた

香織は優一の背中に爪を立てる
唇が再び重なった

ふたりの熱気で部屋の窓が曇っている
もう月の光も届いていない
もう必要が無かった

これからは、互いが互いを照らす
光りになれば良いのだから




     【桃色吐息】           
                    作詞:康珍化
                    歌唱:高橋真梨子

   咲かせて 咲かせて 桃色吐息
   アナタに 抱かれて こぼれる華になる・・・

   海の色に染まる ギリシャのワイン
   抱かれるたび素肌 夕焼けになる
   ふたりして夜に 漕ぎだすけれど
   誰も愛の国を 見た事が無い

   寂しいものは アナタの言葉
   異国の響きに 似て不思議

   金色 銀色 桃色吐息
   綺麗と 言われる 時は短すぎて・・・

   明かり採りの窓に 月は欠けてく
   女達はそっと 呪文をかける
   愛が遠くへと 行かないように
   きらびやかな夢で 縛りつけたい

   さよならよりも 切ないものは
   アナタの優しさ 何故?不思議

   金色 銀色 桃色吐息
   綺麗と 言われる 時は短すぎて・・・