夢の途中10 (302-352)
『林さん、ダンスしたこと無いんだけど、無理を言ってご一緒して戴いたの♪(*^^*)』
「全くの素人ですんで、ご迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします(((^^;)」
「(*^o^)(^-^*)ふ~ん、そう言う事♪」
純子と富子は声を揃えて言った♪
二人は扉を開けてホールに足を入れた。
ホールの中では流れるBGMに合わせて、気の早いカップルが既にステップを踏み始めている♪
天井からはミラーボールが回り、きらびやかな光の雨を降らしていた。
フロアーの奥には床よりほんの三十センチ高いステージがあり、まだ無人だがピアノ、シンセサイザー、ドラム、アンプ共に、楽団の名前の入った譜面台が六つ並んでいる。
譜面台には【ノースゲーツ】と印されていた。
『このバンド、北海道では結構有名なのよ♪
ここ三年程此処のパーティーで演奏してるの♪』
香織は早く踊りたくてウズウズしているようだ。
「中々盛況だね♪案外若い人も多いし♪」
『そうなの、最近はうちの教室にも若い人、多いわよ♪
さっき受付にいた純子さん、彼女、札幌のアパレル会社のOLさんでね、
まだ三十才になったばかりなの♪教室に入ったのは五年前よ♪
最近は競技会にも精力的に出てる我が【ダンススタジオ天城】のエースなの♪』
「なんかスポーツみたいだね♪」
『そうよ、競技ダンスはスポーツよ♪応援なんか、それは凄いんだからァ~♪』
「香織はいつからダンスを?」
『札幌に来てから直ぐに…やっぱり、なんか、打ち込むものが欲しかったのね…
ダンスを始めて今年で丁度10年だわ…』
「競技ダンスには?」
『藤野に来るまでは頑張っていたんだけどねぇ…やっぱり競技ダンスをしようと思ったら週一じゃダメだし・・・パートナーにも悪いから、【楽しみのダンス】に徹する事にして、他の方と組んで貰う事にしたの…』
そう言ってホールに視線を向けると、ミラーボール煌めくホールの中で、上級者と思われるカップルが颯爽とステップを踏んでいた♪
それを目で追う香織の横顔は少し寂しそうだった・・・
八時になり、ステージにバンド、【ノースゲーツ】の面々が登場した。
すると、周囲のパーティーの参加者から拍手が起こり、
口笛、指笛が鳴る♪
いよいよパーティーの始まりだ♪
(^^)/d=(^o^)=b\(^_^)(^_^)/(*^o^)/\(^-^*)(*^^*)\(^o^)/ヘ(ё)ヘσ(^_^;)?♪
いきなり演奏が始まった♪
挨拶代わりの一曲目は【Shall we dance?】♪
曲がかかった途端、あちらこちらでカップルが手を取り、
踊り出した♪
「みんな楽しそうだね♪p(^-^)q」
『うふふふ♪(*^^*)ねぇ、私達も踊りましよ?この曲はスローなマンボだから踊り易いわよ?』
「あははは♪(((^^;)何か緊張するなぁ~♪」
香織は優一の手を引いてフロアーに出た♪
緊張してガチガチの優一♪笑顔も強張って♪【(゜∀゜)】
『まず、右手は私の背中に回して、左手はこうして、こうやって♪ああやって♪足は♪・・・』
早速香織の【レッスン】が始まった♪(^_-)☆
一曲目が終わり、バンドマスターの男性が前に出る。
『皆さん、今晩わ♪楽しんでますかぁ~♪p(^-^)q』
\(^_^)(^_^)/(*^o^)/\(^-^*)(*^^*)\(^o^)/ヘ(ё)ヘσ(^_^;)?(^^)d
ワァ~♪っと歓声が上がった♪
『いゃぁ~、最近の中高年は元気ですねぇ~♪(^_-)☆』
(((^^;)o(^-^o)(o^-^)oσ(^_^;)?ヘ(ё)ヘワハハハハ♪
どっと笑いが起こる♪
『良いですよね~♪、元気が一番♪(^o^ゞ今夜は最後まで楽しんで行って下さいね♪
演奏はノ~~~ス、ゲーツ♪\(^o^)/』
バンマスが手を上げると二曲目の演奏が始まった♪
「あのバンドマスター、何処かで?…(?_?)」
ステージのバンドマスターの顔に優一は見覚えがあった。
【ノースゲーツ】は6曲演奏して一旦ステージから降りた。
15分ほど休憩してまた演奏するのだ。
終演の10時半までそれを3度繰り返す予定だ。
最初の6曲は比較的スローなナンバーが多く、まずは【肩慣らし】と言ったところか。
「いやぁ~、難しいなァ♪^^;・・」
『うふふふ♪(#^.^#)大丈夫よ、慣れれば出来るわ、貴方なら♪(^_-)-☆
音楽をやってたんだからリズム感はなかなか良いわよ♪』
「先生にお褒め戴いて♪(^_-)-☆ でも、楽器引きながらリズムを取るのと踊るのは結構違うもんだね^^;・・」
二人がホールの壁際で話をしていると、40代の紳士が一人近づいて来た。
{花田さん、ご無沙汰♪(^。^)y 3カ月?いや、4カ月ぶりかァ?}
『あ、先生、ご無沙汰しています<(_ _)>御免なさいね、
すっかりサボっちゃって^^;』
{いえいえ、ウチは毎月月謝さえ入れて下されば♪(^。^)yな~~んちゃって♪
して、此方の紳士は?}
『あ、ごめんなさい!^^;此方、私のお友達で林さんです♪(#^.^#) 林さん、此方、教室のオーナーの天城先生♪』
「初めまして、林です<(_ _)>」
{初めまして、天城です<(_ _)> 林さん、ダンスは初めてですか?(^。^)y}
「ええ、全くのど素人でして^^;・・無様な処をお見せしています・・」
{いやいや、最初はどなたも素人ですから恥じることなど何もありません。
それより、あまり堅苦しく考えないで、ダンスを楽しんで下さい♪(^.^)/
どんな簡単なステップを覚える事より、まずダンスを楽しむ事が第一歩です♪
その点花田さんはアナタの一番良い先生になってくれる筈です♪
一緒にダンスを楽しんで下さい♪(^。^)y-}
その時ステージに再び【ノースゲーツ】の面々が登場した。
2ステージ目最初の曲はラテンの名曲【キエン・セラ】だった♪
{お、花田さんお得意のラテンがかかりましたよ♪どうです、1曲?
林さん、パートナーをお借りしても良いですかな?(^。^)y}
「ええ、それはもう^^;」
{では花田さん、改めて、Shall we dance? (^^♪}
『Yes♪(*^_^*)』
香織と天城は手を取り合って、ホール中央に出た♪
ホールで天城と対峙した香織の表情は一変する。
鋭い眼光で天城を見つめ、天城も負けじと返す♪
手を取り合った二人は互いに押しては引き、引いては押す♪
目が回るような高速のターン♪
そいて二人の切れの良いポーズが決まる♪
香織のオレンジ色のドレスから、贅肉の無い伸びやかな脚が露わになって悩ましい♪
素人の優一の目でも、ダンス教室の天城は当然の事だが、香織のダンスも相当な上級者のダンスである事は分かった。
演奏するバンドも二人の熱を感じてノって来た♪
明らかに音の伸びと音量が違うのだ♪
二人はホールを縦横無尽に踊り渡る♪
これでもか、これでもかと激しいターンを繰り返す二人♪
けれど、どんなに激しいステップを踏んでも、不思議と他のカップルとは接触しなかった。
すると、何時しか廻りのカップルが二人のダンスに見惚れ始めた♪
香織の切れの良いターンが何度も決まる♪
作品名:夢の途中10 (302-352) 作家名:ef (エフ)