夢の途中10 (302-352)
『アラ、そうなのォ♪また、お昼、一緒に食べにいらしてね♪(^_-)-☆』
「・・・それとねぇ、これは部長本人から聞いたんじゃないけど・・・・
どうやら林部長、今度取締役に抜擢されるみたいだよ♪
部長と同期の山本専務が次期社長候補の筆頭でね、部長の手腕を高く買ってる山本専務が、社長就任の暁には是非林部長に片腕になって欲しいと云ってるようだよ♪」
・・・・それは初耳だった(*_*;・・・・
京都で結ばれた二人はあれ以来、毎日毎晩、メールや電話で愛を確かめ合っていた。
来週札幌に帰った折り、香織も札幌に出て来て優一と逢う約束をしている。
札幌郊外の有名ホテルのツインの部屋が予約出来たと連絡が入っていた♪
熊本での仕事に区切りをつけ、その後は東京か大阪に在籍する事になる事は聞いていたが、取締役就任等と云う事は一言も話題に出なかった・・・
無論、仕事と香織の事は別の次元であって、優一がまだ話す必要が無いと考えたのかも知れないが、自分の知らない事を古畑から知らされて、少し寂しい気分の香織であった。
『へぇ~、そうなの。林さん、御出世なさるのね・・』
香織は出来るだけ顔に出さないよう気を付けて言った。
「そうなんだよ♪(^。^)y-.。o○ 僕等、現場を良く知ってる部長の様な人が会社の上層部に居てくれたら嬉しいけど・・だけど、部長がそれを素直に受けるかが問題だよなァ・・(/_;)・・・今まで何処の社内派閥にも属さない【一匹オオカミ】で通して来た人だから、此処で山本新社長の片腕取締役って事になると、自動的に【社長派】って事になるしねぇ・・」
『へぇ、男の人の世界って難しいのね・・・』
香織は優一がどう返事しようか迷っているのだと感じた。
その夜、香織は優一にメールした。
今優一は熊本を引き払って東京に居る。
2008年11月5日 20:05
件名:お疲れ様♪(^_-)-☆
『お疲れ様です♪チュツ♪(^_-)-☆
今日久しぶりに古畑さんがお見えになりました。
バイパス道路も仮開通したから、チョット手持ち無沙汰のようでしたよ?
彼が[林部長が来週見えますよ]って教えてくれました。
[アラ、そう。また一緒にお昼食べに来てね♪]って言っておきましたから♪(^_-)-☆』
2008年11月5日 20:10
件名:reお疲れ様♪(^_-)-☆
「ああ、お疲れ~♪チュツ♪(^_-)-☆
そうかい、古畑は手持無沙汰そうだったかい?
まァ、雪がそれだけ降ってたら何も出来ないしね・・・
何なら御近所の雪下ろしでもさせてやって?
それで[四の五]言うようやったら、
【部長命令(-_-)/~~~ピシー!ピシー!トットト、ヤレ~~!】やと言って?^^;・・・」
2008年11月5日 20:23
件名:rereお疲れ様♪(^_-)-☆
『ぷっ♪^m^ それはすごい【職権乱用】だわ♪
ねぇ、熊本の後は東京にずっと在籍なの?
東京だと近いから嬉しいけど♪』
さり気なく優一の今後を聞いてみた。
2008年11月5日 20:45
件名:rerereお疲れ様♪(^_-)-☆
「まだ決まってないねん。
しかし酷い会社やで、
一年間で、大阪⇒札幌⇒藤野⇒札幌⇒熊本⇒東京て、
50過ぎたオッサンをアッチコッチ飛ばしてくれて・・・
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!エエカゲンニ、セイヨ!
ま、藤野では【運命の人】に出会わせて呉れたから、文句は言えへんけどな♪
今、リーマンショックで世界的な大不況やろ?そやから民間企業は勿論、国や地方自治体も超緊縮予算やから我々土建屋にとっては厳しい時期でなァ・・・
ここで舵取りを誤ると大変な事になるよって、会社も色々考えてるみたいや。」
香織は優一が取締役就任の話を呑むつもりだと感じた。
優一が藤野を訪れたのは11月13日だった。
勿論予定は優一から事前に香織に伝えられていた。
月曜日の11月10日に東京から札幌に入った優一は、札幌支店における業務の引き継ぎを三日間掛けて行い、13日は藤野で出来上がったバイパス道路の視察や、藤野市役所を訪れ浅間市長等の関係各所に正式な離任のあいさつに行く。
藤野での宿舎は新プリンセスホテル・リゾートを本社の業務課が予約していた。
それに遡る札幌滞在中の宿舎も市内で指折りのホテルであった。
今回の出張は単に現場担当者の通常の出張とは少し違っていた。
公務中の公務として扱われ、まさに【準役員待遇】と云って良かった。
新社長の誕生はおそらく株主総会が行われる来年2009年6月末の事であり、新社長の意向を酌んだ新体制が発表されるのはそれと同時か、少し後になる場合が多いのだが、現山本専務の新社長就任は動かないモノと見られ、優一に限らず、何人かの【入閣予定者】は、早々と同じような扱いを受けていた。
午前中札幌から運転手付きの車で藤野に入った優一は、
ワザワザ古畑の運転する泥だらけのライトバンに乗り換え、工事区間としては5kmの川沿いのバイパス完成部分を視察して廻った。
10月暮れからの大雪以降それ程の降雪は無く、ましてや融雪設備の付いた新バイパス道路は快適で何の問題も無かった。
「古畑君、御苦労さん♪良い出来栄えだよ♪
これならどんなに大雪が降っても、藤野の人に安心して通ってもらえるなァ~♪
それに、日本中、いや、世界中から富良野の良質なパウダースノーのゲレンデを心行くまで堪能して貰えるよ♪」
[部長、そんなに言って貰ったら勿体ないですよ(・_・;)・・・
コレはやっぱり、林部長が僕たち現場監督を厳しく育ててくれた御蔭なんですから・・・僕等は【林イズムの実証者】、って事だけですよ♪(#^.^#)]
「はははは♪嬉しい事、言ってくれるなァ~♪(^。^)y-.。o○」
[部長、それより、市長との御挨拶は午後からですよね?
本社の総務課が【午前中から昼食をはさんで浅間市長と会談】なんて予定を組んでたもんですから、午前中はじっくりバイパス道路を視察して貰うんだ、市役所に行くのは午後からじゃないと無理!って言ってやりました♪(=^・^=)]
「古畑君、ナイスフォロー♪(^_-)-☆
今日は木曜日、【喫茶・ラベンダーの香り】は日本一美味いビーフカレーだよな?」
[部長、日本一じゃ無いです!世界一です!(;一_一)]
「^^;悪い悪い・・・じゃ、チョット昼には早いが、レッツ・ゴ~♪」
[レッツ・ゴ~~~♪(=^・^=)]
[ママ、林部長をお連れしたよォ~♪(^u^)]
店のドアを古畑が勢いよく開き、中に入った。
まだ昼のランチ時には30分程間が在った為、店内に他の客は居なかった。
『アラ、古畑さんいらっしゃい♪(#^.^#)
あ、林さん・・・ゴブサタしてます^^;・・』
「・・ああ、ママ、ゴブサタですね^^;・・・・」
何となくぎこちない二人の挨拶であった。
古畑にもまだ二人の関係は秘密にしていたのだ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
『今日は何時にこちらに着かれましたの?(#^.^#)』
「ああ、今日は札幌から車でね、10時前だったかな?
作品名:夢の途中10 (302-352) 作家名:ef (エフ)