【第七回・参】幸せ捜査網
「あんまり自分を責めるものじゃないよ…」
桜の木の下まで歩いてきた矜羯羅が桜の木に手をついた
「でも…私は…」
「どうして緊那羅はこの桜を咲かせたの?」
矜羯羅が緊那羅を振り返って聞いた
「え…? …私はただ…あの時は…まさかでも桜が咲くなんて…わからなかったっちゃ…」
緊那羅が箒を持ったまま戸惑いながら答えた
「なら緊那羅が全て悪いわけじゃないんじゃない」
矜羯羅が言う
「その時はこんなことになるなんてわからなかったなら…君が全部背負い込まなくていいと思うよ?ね?京助?」
にっこり笑い矜羯羅の視線の先には片手をヒラヒラと振りながら近づいてくる京助がいた
「あ…おかえりだっちゃ」
「京助お…くっしょ!!」
くしゃみで遮られたお帰りという悠助の言葉に京助が手を振って返す
「あん時はお前のおかげで助かったんだからさ」
悠助に手を振りながら京助が緊那羅に言う
「…助けられた俺とかにも責任はあるわけだ」
京助が手を振るのをやめて緊那羅を見た
「連帯責任!! わかったか? …むしろお前は悪くねぇと思う俺…むしろ悪いのは俺?」
京助が頭をかきながら言う
「京助は何も…」
「だからだよ」
緊那羅の言葉を京助が遮った
作品名:【第七回・参】幸せ捜査網 作家名:島原あゆむ