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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・参】幸せ捜査網

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「あ、そういえばさ!! こんなジンクス知ってる?」
南が何かを思い出して手を叩いた
「じんくす…ってなんですか?」
乾闥婆が聞きなれない言葉に対し京助に聞いた
「ジンクスって懐かしいナァオイ; 俺も久々に聞いたぜ…ジンクスっていうのは…まぁ…言い伝えというか伝承というか…」
京助が言う
「昔よく試したよなァ…佐川急便のフンドシに触ると願いが叶うとか…今佐川さん皆パンツスタイルだしなぁ」
中島が懐かしさをかもし出しながら言った
「あったあった!!」
南が笑いながら言う
「…で? そのジンクスが何?」
矜羯羅が垂らしている布を後ろにやりながら3馬鹿と京助に聞く
「あ、うんそれがさ…一番最後に咲いた桜の花って…他の花より多少色が濃くてその花を押し花にすると一生幸運に恵まれるんだと…か」
南が思い出しながらなのかすこし途切れ途切れに言った
「へぇ~それは初耳~よく桜の木の下には死体がが埋まっているとか聞くのになぁ」
坂田が言う
「ジンクスは時代の子供が作るからねぇ…常に新しいモノが生まれるもんなんだよ」
南がウンウンと頷いた
「コレはありすから教えてもらったんだ」
そしてありすの名前を口にすると南の顔がにやけた
「…それは他人にあげた場合その人に幸運がもたらされるのですか?」
乾闥婆がにやけている南に聞いた
「あ? …う~ん…;そうじゃないのかな? たぶん;」
南が自信なさげに答えた
「…一生の…幸運ね…」
矜羯羅がボソッと呟いた
「馬鹿馬鹿しい;」

ぐきゅるるるる…

迦楼羅が悪態をつくと腹の虫も一緒になって文句を垂れた

「おわー!! 咲いてる咲いてる!!」
少し藪の中にいり込んだところに立っていた三本の桜の樹には満開の桜の花がついていた
「昨日よか咲いてるなぁ…綺麗綺麗」
中島が桜の樹を見上げて言う
「よっしゃ! 花見だ花見!!」
坂田が手を叩いて言った
「ウチのデカ桜には劣るけど結構綺麗だよな」
京助が桜の樹を見上げて言うと緊那羅も桜の樹を見上げた
「でも君の方が綺麗だよハニィ」
「京助ったら…」
「…オイコラそこ!! 変なアフレコすんな!!;」
揃って桜の樹を見上げていた京助と緊那羅に対し南と中島が想像でアフレコを入れた
「だってそんな感じだったんですもん」
ハッハと南が笑うと中島も頷いた
「綺麗だね悠助」
慧喜が落ちてきた桜の花弁を見て目を細める
「慧喜も綺麗だよ? 花弁ついてお嫁さんみたい」
悠助が慧喜を見上げて言う
「…こっちはごちそうさま」
慧喜と悠助の相変わらずのラブラブッぷりに対し3馬鹿と京助が手を合わせて【ごちそうさま】と頭を下げた

「ほら!! タオル!! かるらんくんも!! 矜羯羅君達もちゃんと拭いて!! 今お風呂沸かしたから」
玄関に並んだ面々に母ハルミがタオルを手渡していく
「…雨降ったっちゃね」
「うるへぃ;」
緊那羅が言うと京助が言い返した
「…僕らは空に帰ればいいんだけどね」
頭の布を外して髪を拭いた矜羯羅が髪をかきあげながら言う
「なら帰ったらどうです?」
同じく帽子を外して髪を拭いている乾闥婆が矜羯羅に笑顔で言った
「そっちこそ」
微オールバックな髪形になった矜羯羅も乾闥婆に笑顔で言った
「ハイハイハイハイ~!; とにかく茶の間にレッツラ!!」
そんな二人の間をわざと通って京助が家に上がる
「風呂沸いたらまず慧喜と悠入れよ?」
首にタオルをかけて京助が振り返って言った
「結構降るわねぇ…」
湯気の立つ湯飲みをテーブルに置きながら母ハルミが外を見る
「桜も花散ってまうんだろうな」
立ったまま湯飲みをもった京助が窓に近づき空を見上げた
「にしても…順番待ちしている間にこれじゃ風邪引くわね…」
母ハルミが制多迦、矜羯羅、迦楼羅、乾闥婆の順に目を向ける