小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第七回・参】幸せ捜査網

INDEX|17ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

「…何してんだお前;」
京助に上から声をかけられて緊那羅がもぞっと動いた
「乾闥婆は?」
今度はすぐ隣から京助の声がした
「…帰ったんか?」
京助に聞かれて緊那羅が無言で頷いた
「で…お前は何してんだよ」
あくびを噛み殺して京助が聞く
「…私…っ」
ズズッと鼻を啜る音と共に緊那羅が顔を上げた
「…変な顔」
京助がすかさず言う
「どうせッ!! …花…私が見つけたんだっちゃ…」
怒鳴った後俯きながら緊那羅が答えた
「へぇ…んだからへしょげてるわけか」
京助が言うと緊那羅が頷く
「乾闥婆も矜羯羅も…ずっと待ってたのに…私が…っ」
そしてそのまままた膝に顔をうずめた
「…そっか…」
京助が頭を掻きながら桜の木を見上げそして再び緊那羅を見る
「…っ…」
たまに息を吐き泣き続ける緊那羅に京助はかける言葉が見つからないのか頭を掻いたまま溜息を吐き

「だ---------------------ッ!! ;ったくッ!!」
大声を上げると木に寄りかかって座り緊那羅の頭を自分の足に押し付けた
「きょ…?;」
驚いて身を起そうとした緊那羅を押し付けて京助は緊那羅の頭をポンポン叩く
「…しょっぺぇなぁ;」
ぼそっと京助が呟いた
「…お前今いっぱいいっぱいにみえる」
緊那羅の頭をポンポン叩くのはやめないで京助が言った
「何でもかんでも自分のせいにして詰め込んでんだろ…泣いてるついでだし泣けるだけ泣いとけ。付き合ってやるからさ」
ポンポン叩いていた頭を今度は撫で始めると緊那羅が体を縮めた
「言いたくないなら聞かんけど言いたいなら聞くからな」
京助が言うと緊那羅が小さく頷く
「…つか…付き合ってやる代わりに泣き終わったら笑えよな」
鼻を啜った緊那羅から目を朧月へと向けながら京助が言うと小さく嗚咽が聞こえ始めた