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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・参】幸せ捜査網

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珍しく声を出して笑い出した矜羯羅に乾闥婆が目を丸くする
「な…ッ;」
滅多に大きな声を出さない矜羯羅が口を開けて大笑いしているのをあっけに取られてみていた乾闥婆がだんだん不機嫌そうな顔になる
「何がおかしいんですかッ!!」
そしてとうとう怒鳴った
「っ…ごめんごめん…僕も本当同じだったのがおかしくて…っ」
くくく…っと噛み締めた笑い声を所々に入れつつ矜羯羅が言う
「…同じ…?」
乾闥婆が聞き返した
「そう…僕も君に僕の嫌いな僕を重ねていた気がしてね」
やっと笑いが収まったらしい矜羯羅がいつものように口元だけに笑みを残して言った
「こんなところまで似てたんだなって思うと…」
ソコまで言うとまた笑いがこみ上げてきたらしく矜羯羅が口元を押さえた
「…まだ笑い足りないんですか」
さらっと言った乾闥婆の顔もだんだんとほころんできていつの間にか口元に手があった
「本当…似すぎて腹立たしいね」
矜羯羅が笑いをこらえて言った

ガサガサという音に矜羯羅と乾闥婆がほぼ同時にその音の方へと顔を向けた
「あ…矜羯羅もきてたんだっちゃ?」
完全防備した緊那羅の手にはポットと買い物袋が握られていた
「…今日は君が付き合うの?」
矜羯羅が緊那羅の荷物を見て言う
「そのつもりできたんだっちゃ」
木の根元に荷物を置いて緊那羅が上を見上げた
「別に付き合ってくれなくても大丈夫なんですけど」
乾闥婆が緊那羅を見下ろした
「…プッ」
矜羯羅が小さく噴出したのを見て乾闥婆はムッとして緊那羅は首をかしげた
「何がおかしいんですか」
乾闥婆が言うと矜羯羅が片手を横に振った
「別に?」
そして笑顔を乾闥婆に返す
「…;」
苦笑いのままいつ言い合いになるのかをハラハラしながら緊那羅が見守る
「…え…とお茶…持ってきてるんだっちゃけど;」
何とかその言い合いを避けたい緊那羅がポットを指さした