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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・参】幸せ捜査網

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「月曜日にお風呂を沸かし~火曜日にお風呂に入る~トゥルトゥルトゥルトゥルトゥルトゥルララ~♪…って曲あんじゃん? 沸かしたらすぐ入れってカンジしねぇ?」
ガチャガチャと音がするのはおそらく鞄の中の筆箱だろうと思われる放課後の帰り道
南が歌いながら言った
「いや、ソレはアレだ!! 月曜の夜中11時59分に沸かして入って時計見たら火曜になってましたってぇオチかもしれないぞ」
坂田が答えた
「ロッシーの曲じゃなかったか? ロッシーって風呂あんのか?」
中島が言う
「知らねぇよ; なぁきょう…」
坂田が京助に同意を求めようとさっきまで京助が確認されていた方向に顔を向けた
「…れ? 京助は?;」
しかしそこにいない京助を3馬鹿がキョロキョロと探し

「…いたし」
歩いてきた道の電信柱に頭を付けて口を半開きにしたまま寝息を立てている京助を発見した
「コイツ今日朝からずっとこんなんなんだよな…一時間遅刻してきたと思ったら机に座るなり爆睡さね」
坂田が京助の頭を叩きながら言った
「そういや俺今日京助の声聞いてない気がする;」
南が苦笑いで京助の尻を叩いた
「昼に行ったときも寝てたしな」
中島が京助の脇腹を突付いた
「…何かあったんかね?」
スカーっと一向に起きそうにもないですよというカンジの寝息を立てる京助の顔を下から覗き込んだあと京助の鼻の穴に指を突っ込んでツッペしながら中島が言う
「……ゲハッ!!;」
呼吸困難に陥った京助が鼻水とツバを吐いて目を覚ました
「中島エンガチョー」
「同じくエンガチョー」
南と坂田が一歩後退して言う
「懐かしいナァエンガチョー…おはよう京助君」
京助のパーカーに手を拭いながら中島がハッハと笑って言った
「っ…はぁ~; …おのれ等はッ!!;」
涙目で呼吸を整えた京助が怒鳴る
「眠気すっきりシゲキックス」
南が可愛らしげなポーズで舌をチロリと出して言った
「…った…く…ふぁぁ…」
大あくびをして京助が眠そうに目をこすった
「やたら眠そうじゃん京助…何かあったん?」
中島が聞く
「いや…ジンクスがな;」
思い切り伸びをして京助が答えた
「ジンクス? 何? 夜通しおきてると何かなるのか?」
「いんや」
坂田の質問に首をコキコキ鳴らした後一呼吸おいて京助が話し始めた
「南が言ってた桜のジンクスあるだろ? 最後に咲いた桜がどうのってぇの…あれを信じて夜通し桜の木観察していやがる方がいまして…」
京助の言葉に南がきょとんと目を大きくして何かを思い出そうとしている
「…ああ!! アレか! 桜!!」
そして思い出したのか声を上げた
「誰が信じてるんだ? 悠か? 緊那羅か?」
坂田が聞く
「いんや…乾闥婆。外で一晩中一睡もしないでじっと桜の木見てるんだよなァ;」
「それに付き合ったわけか」
アクビしながら答えた京助に中島が突っ込むとアクビをしながらも京助が頷く
「それはそれは…俺らも手伝ってやりたいけど本人が見つけないといけないみたいだしナァ」
南がヤレヤレと両手を挙げて肩をすくめた
「…俺って本当何も出来ねぇんだなってさぁ」
ボソッと京助が言うと3馬鹿が顔を見合わせた
「…京助?」
いつになく弱気な京助に中島が少し驚きながら声を掛けた
「…うし!! 帰って寝るッ!! アデユゥ!! 諸君!!」
チャッと手を上げて意味もなく大きな声で言うと京助が走り出した
「あ…んじゃなー!! しっかり寝ろよー!!」
ワンテンポずらして南が手を振る
「…んなこと言っちゃ俺らだって何も出来ないと思わねぇ?」
京助の背中を見送りながら中島がボソッと言うと坂田と南が頷いた