つぶやき詩集 (1)
久々の帰郷
車窓から
あっ!変わった
おー!マンマじゃん
あそこは確か定食屋だったのに・・
あの生姜焼きが食べられないや
こっちは綺麗になっちゃって
でも高そうなになった寿司屋
久々に歩く故郷の街
ああ?そうか!
今日はボロ市だったか
いやいや!
スッゴい人暮れの風物詩を見て
心を和ませる
これだよ、変わらないもの
寒さに手もみをしながら口上を発している
おやじやおばー
こだわり道具を売る店
今流行りのガラス細工を売る店
なんだか得たいの知れない物を売る店
色とりどりの布が冬の風になびいている
甘酒、いいなあ
おー!ハラワタにしみるよ
試食のキムチで口直し
夜のネオンもどことなく
物悲し気に見えるのは景気のせい?
歩く人の背中の影が力なく見えるのは政治のせい?
短い帰省に心を踊らせた自分はいない
そして仲間と集まる店へ
ちょっと町外れの小さなバー
いやいや、皆元気!
踊りまくって、飲みまくって、話しまくる
みーんな元気
店の中は、景気も政治も関係ねェ!
楽しく、楽しみ、楽しんだ
今、帰りの車窓
夜の戸張が降り、汚い物を隠してしまった
戸張は、綺麗に放たれる灯りを浮かせて
俺の心を癒してくれる
今、暮らす街へと帰る
作品名:つぶやき詩集 (1) 作家名:Riki 相馬