告白
それから彼女と別れ、忘れ物を思い出し自分の教室へ行くと、奏多がいた。
俺の席で机に突っ伏して寝ている。
起こさないようにと少し足音を忍ばせながら窓際の自分の席へと近づいた。
するといきなり突風が吹き、開いていた窓から風が一気に教室へと押し寄せる。
突っ伏した奏多の髪がぶわっと揺れる。
「っ………」
いつも奏多といて思う。
奏多は匂いがする。
女の子からするシャンプーとか香水の匂いでなくて、
もっと、こう…自然の…、花の匂とかそういう、匂い……。
(何の匂いなんだろう?)
忍び足で後ろに立った俺は、奏多の髪にそっと手を触れた。
やっぱり髪…シャンプーか何か、なの…か?
少し髪をすくいあげ、鼻を近づけた、瞬間奏多がこっちに振り向いた。
―――――――――……………。
唇が、重なった。