告白
03
定期テストが無事終わり、そろそろ答案も全て返され順位が張られるだろう時期。
奏多に彼女ができた。
考えてみれば、中学の時にそんな話が無かったほうが不思議だろう。
自分にそのつもりがなくても気づくとクラスの中心にいるようなタイプだ。
なら立て続けに…とまではいかなくても、せめて一人くらいはいたって話があがってもいいような奴だ。
そしてそれと同時に奏多と俺の付き合いはまあまあ減った。
当たり前の話だ。
彼女ができれば男友達なんてもんは男にとって二の次、三の次。
そして噂に疎い俺なので、その情報源は他でもない本人からだった。
その日俺は部活終わりにバスケ部のある女子に呼び出され、校舎裏の一番でかい木の下にいた。
呼び出した彼女は勿論俺より先に来て、360度、いったいどの角度から俺がやってくるのかと
伺っているようで落ち着かない様子が少し可愛く、おかしかった。
案の定、俺は告白された。そして断った。彼女は何故かと理由を聞くようなタイプではなかった。
それなら友達から、と遠慮がちな声で訴えるものだから、構わないと答えメールアドレスを交換した。
俺はメールも電話もあまりしないが、彼女なら俺の返事が遅く、一日一回のやりとりになってしまっても何も言わずに続けてくれるんじゃないかと思ったのだ。
早見 理沙(ハヤミ リサ)
因みに彼女が実は一個上の先輩だったのを、俺はゆくゆくメールのやり取りの中で気づいた。