告白
クラスは別れた。
奏多は中学と変わらずの爽やかさでクラス内でうまくやっているようだった。
俺も運よく窓側の席を獲得し、相変わらず寝て過ごしていた。
俺は引き続きバスケ部に入部したが、奏多はどこにも所属しなかった。
理由はわからないままだ。
最初の定期テストを迎えようとして、皆がテスト勉強に打ち込む頃、奏多から勉強に誘われ、その放課後に彼の部屋ですることとなった。
コイツは部屋も勿論爽やかで、夏やら春の風が吹き抜けるのだろうかと馬鹿な想像をしたが、現実は至ってシンプルな必要最低限の家具が置かれた部屋だった。
「綺麗にしてるんだな」
まあ、軽い社交辞令のようなものだ。
初めて入る他人の部屋に、他に感想が思いつかない。
「そう?よかった」
ふわっと笑う。
思いのほか喜んだ顔をされたので、もう少し気の利いたことを言えばよかったと後悔する。