告白
それから1か月程たった頃、久しぶりに奏多から宿題をやりに家に来ないかと誘われた。
日曜日、部活は午前中のみだったのでそれから奏多の家へ向かった。
「いらっしゃい」
「なんだか久しぶりだな」
「えー、一緒に帰ったりしてるじゃん、結構」
「前よりは減ったけどな、断然」
「……だって彼女いるし」
「だよな」
俺は笑って靴を脱ぎ、奏多の背中を押した。
て、ここは奏多の家なんだが、彼も特に抵抗せずに方向転換し部屋へと歩く。
また、数学の宿題でわからないところがあるらしい。
本当に苦手なんだな。
「つか、進み方も違うし宿題なら同じクラスの奴に教わったほうがいいんじゃないのか?」
「……んだよ。俺に教えたくないってことかよ」
拗ねた顔をされた。
「……………っく」
なんだか無性に可愛かったのでつい笑ってしまい、また怒った顔をされた。
2時間ぶっとおし、無事奏多の宿題は終わった。
飲み物を持ってくると言い、奏多は下へ降りていった。
ブブブブ……――――
机に置かれた奏多の携帯のバイブ音が鳴った。着信のようだ。
見るつもりは無かったが、一瞬「愛」という名前が見えてしまった。
彼女か。
鳴り終えて少したつと、奏多が戻ってきた。
「携帯なってたぞ」
「え、うそ」
携帯を開き、履歴を確認する。と、すぐに閉じた。
「おいおい返さなくていいのかよ」
「うん」
「彼女だろ」
「見たんだ」
「あ」